もしかしたら最近、体重が変わっていないのに身体がたるんできたとお感じではありませんか?
それは、以前よりも体脂肪率が上がってきているからかもしれません。
身体の体脂肪の割合によって、たるんで見えたり、引き締まってみえたりするので、体脂肪が減ると同じ体重でもスッキリして見えます。
食事制限をすることで体重を落とすこともできますが、肝心の脂肪が落ちずに、筋肉が減ってしまっては、基礎代謝が下がってしまうので、リバウンドしたり瘦せにくい体質になってしまう可能性もあります。
ダイエットにおける成功とは、単に体重が減るということだけではなく、脂肪が減って、ボディラインがスッキリとして見えるということも大切なポイントではないでしょうか。
今回は、理想的な体脂肪率に近づけていくための方法をお伝えしていきます。
まずは、年齢別の理想的な体脂肪率から確認していきましょう!
脂肪を落としてスッキリしたいです!
一緒に理想の体脂肪率に近づけていこう!
【年齢別】理想的な体脂肪率
私たちの身体は、年齢によって代謝が変わっていきます。若くて筋肉量もある方は代謝が活発です。
また、男性と女性は適正な体脂肪率が異なるので、性別によっても理想的な体脂肪率は異なります。
それでは、理想的な体脂肪率を確認していきましょう。
下記の表の-標準または+標準の数値が理想の体脂肪率になります。
参考:タニタ
18~30代
女性
やせ | -標準 | +標準 | 軽肥満 | 肥満 |
~20% | 21~27% | 28~34% | 35~39% | 40%~ |
男性
やせ | -標準 | +標準 | 軽肥満 | 肥満 |
~10% | 11~16% | 17~21% | 22~26% | 27%~ |
40・50代
女性
やせ | -標準 | +標準 | 軽肥満 | 肥満 |
~21% | 22~28% | 29~35% | 36~40% | 41%~ |
男性
やせ | -標準 | +標準 | 軽肥満 | 肥満 |
~11% | 12~17% | 18~22% | 23~27% | 28%~ |
60代
女性
やせ | -標準 | +標準 | 軽肥満 | 肥満 |
~22% | 23~29% | 30~36% | 37~41% | 42%~ |
男性
やせ | -標準 | +標準 | 軽肥満 | 肥満 |
~13% | 14~19% | 20~24% | 25~29% | 30%~ |
いかがでしたでしょうか?
どの年代でも男性と女性では理想的な数字に約10%の差があることが分かります。
では、理想の体脂肪率の範囲を超えてしまうと、どのようなリスクがあるかみていきます。
男性と女性の理想値は全く違うんだね!
健康的に脂肪を落としていこう!
体脂肪率の異常がもたらすリスク
体脂肪は高い場合は、病気になる可能性が高いという想像がつきやすいと思います。
では、低ければ低いほど良いかといえば、そうとも言えません。
それぞれのリスクについて確認していきましょう。
体脂肪率が高い場合
体脂肪が高いと、下記のような様々な病気になるリスクが高まります。
糖尿病や高血圧が肥満と関連することはよく知られていますが、腎臓病や睡眠障害などにも関連していることがわかってきました。また、大腸がん、前立腺がん、乳がんや子宮がんなどの発症を増やすと考えられています。
体脂肪が多いと、癌の発症から睡眠障害まで、多くのリスクが高まります。
体脂肪が高いことは、見た目だけの問題ではなく、健康な生活を送ることにも支障をきたす可能性があります。
体脂肪率が低い場合
次に体脂肪率が低い場合です。
まず、体脂肪は、男性と女性で適正範囲に差があることを確認しておきましょう。
一般に体脂肪率の適正範囲は、男性15~25%、女性20~30%くらいと言われ、男性は25%、女性は30%を越えると肥満と考えられます。
妊娠・出産を担う女性は、骨盤の周りを中心に皮下脂肪が厚くなるため、男女で適正範囲に違いがあります。引用:日清オイリオ
このように、体脂肪は女性との関係が深いものです。
体脂肪は女性ホルモンとの影響も強いので、特に女性の場合は、生理不順が起きてしまったり、妊娠しにくくなってしまう可能性も高まります。
また、女性ホルモンには、骨を強くするという働きもあるので、体脂肪率が低いと骨密度が低下してしまい、骨折のリスクが高まります。
その他、脂肪には身体の熱を保温する働きもあるので、体脂肪率が低いと身体が冷えやすくなってしまいます。
それによって、免疫力が低下し、風邪をひきやすくなる等のリスクも高まります。
以上のような理由によって、体脂肪率は低ければ低いほど良いというわけではありません。
体脂肪は多すぎても少なすぎても良くないんだね!
理想の数値を目指していこう!
理想的な体脂肪率になった時の見た目
一般的に体脂肪率の適正範囲は、男性15~25%、女性20~30%くらいといわれています。
理想的な体脂肪率の判断は、ある程度、見た目で判断することができます。
特に分かりやすいのは「お腹」「腰周り」「二の腕」になりますので、男女別に特徴をみてみましょう。
女性の特徴
画像:Body Fat Percentage Photos Of Men & Women
女性の場合は、体脂肪率が15%~20%になると、腹筋のラインが見えるような感じになります。
また、特に女性は骨盤周り(腰周り)と二の腕に、脂肪がつきやすい傾向にあるのが分かるかと思います。
男性の特徴
男性の場合は、骨盤周りというよりはお腹につきやすい傾向にあり、体脂肪率が一桁台になるとはっきり腹筋が確認できます。
男性は、体脂肪率が30%以上であっても女性に比べて筋肉質であることが分かります。
では、見た目だけではなく具体的な数値で分かるものがBMIになります。次の項目でご説明していきます。
腹筋バッキバキになりたいな~
バッキバキ目指して頑張ろう!
BMIとは
肥満の判定はBMIという数値が世界的な基準になっています。
健康診断などでもよく見る項目です。
計算方法はBMI(Body Mass Index)=[体重(kg)]÷[身長(m)2]で算出することができます。
肥満度の判定には、国際的な標準指標であるBMIが用いられています。男女とも標準とされるBMIは22.0ですが、これは統計上、肥満との関連が強い糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)に最もかかりにくい数値とされています。
引用:肥満と健康|厚生労働省
世界保健機構(WHO)では、BMIが30を超えると肥満と定義されています。
日本肥満学会の基準では、BMIが25以上になると肥満と判断されます。
理想とされる数値は「22」となっており、最も病気になる確率が低いとされているので、まずはこの目標値を念頭に置いておきましょう。
ただし、22に近づけようとするだけでは体重を減らすことが目的になってしまいます。
冒頭でお話した通り、体重のみでダイエットを成功としてしまっては、リバウンドや瘦せにくい体質になってしまいます。
BMIが基準値であっても、内臓に脂肪が多く蓄積してしまっている方は、生活習慣病などの健康へのリスクが高い状態です(内臓脂肪型肥満・リンゴ型肥満)
ちなみに、メタボリックシンドロームの診断基準は、内臓脂肪型肥満の人が高血糖・高血圧・脂質代謝異常のうち2つ以上を併発している状態を指しています。
A: 腹囲 | ≥ 85cm(男性) ≥ 90cm(女性) (内臓脂肪面積 男女とも≥100cm2に相当) |
---|---|
B: 上記に加え、以下のいずれか2項目以上(男女とも) | |
1.中性脂肪 | ≥ 150mg/dl かつ/または HDL < 40mg/dl |
2.血圧 | 収縮期血圧 ≥ 130mmHg かつ/または 拡張期血圧 ≥ 85mmHg |
3.血糖 | 空腹時血糖 ≥ 110mg/dl |
参考:日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準(2005年)
よって、BMIが基準値であることを目標としつつ、体脂肪率も理想値に近づけていく必要があります。
そこで、次は理想の体脂肪率に近づけるためにオススメの運動をご紹介していきます。
皮下脂肪型肥満(洋ナシ型)の方は内臓脂肪よりも皮下脂肪が多い傾向にあり、下半身を中心に脂肪が多いのが特徴だよ!
リンゴ型と洋ナシ型ね!なるほど。
理想の体脂肪率にするおすすめの運動
理想の体脂肪率にするためには、身体を動かすことで脂肪を燃焼させていくことが必要になってきます。
脂肪を減らして、スッキリした身体を目指していくためにオススメの運動をご紹介します。
有酸素運動
有酸素運動は、主に脂肪をエネルギー源として身体を動かしていく運動になります。
強度としては、少し息が上がる程度を目安にしてみましょう。
より具体的な数値で行う場合は、最大酸素摂取量の約60~70%が最も脂肪燃焼効果が期待できる心拍数になります。
以下の表を参考ににしてみてください。
有酸素運動については、こちらの記事もご参考ください。
筋トレ
筋トレを行うと、使った筋肉がじんわり痛くなるような経験をされたことがある方も多いと思います。
これは筋肉内に乳酸などの代謝産物が蓄積して起きる現象なのですが、その際に化学受容器(侵害受容器)が刺激されると、脳下垂体というところから成長ホルモンが分泌されます。
この成長ホルモンは、脂肪細胞に蓄えられている中性脂肪を遊離脂肪酸に分解する働きがあります。つまり、体脂肪が分解されて運動のエネルギー源として利用されるということです。
筋トレの主なエネルギー源は糖質ですが、成長ホルモンの分泌が促されることによって脂肪燃焼を促進する働きがあります。
よし!筋トレと有酸素運動を組み合わせてバッチリと!
そうだね!組み合わせると効率アップするよ!
理想の体脂肪率にするために効果的な食事方法
理想の体脂肪率にするためには運動だけでなく食事もポイントになります。
無理な食事制限をするのではなく、以下のポイントを抑えた食事を心掛けていきましょう。
- 活動量の少ない成人女性の場合は、1400~2000kcal、男性は2200±200kcal程度が目安
- 3食バランスよく食べること(特に朝食)
- 食物繊維は栄養の吸収を緩やかにするので意識して摂ること
1日の摂取カロリーを計算する
農林水産省によれば、男性と女性、活動量の違いによって1日に必要な摂取カロリーが異なります。
活動量の少ない成人女性の場合は、1400~2000kcal、男性は2200±200kcal程度が目安となっています。
摂取カロリーが過剰になってしまうと、体脂肪が溜まりやすくなってしまうので注意しましょう。
3食バランスよく食べる
太ってしまうからといって食事を抜いてしまうと、暴飲暴食をしてしまったり、間食が多くなってしまうことがあります。
特に朝食は、1日の代謝を上げてくれるエネルギー源になります。
1日3食、バランスのとれた食事を取ることを心掛けましょう。
食物繊維が豊富な食材を取り入れる
食物繊維は、小腸での栄養素の吸収速度を緩やかにします。
また、食後の血糖値の急上昇を抑えてくれる働きもあるので脂肪が溜まりにくくなります。
食物繊維は低カロリーで肥満の予防にもなるので、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の予防に効果があります。健康長寿ネット|食物繊維
食材としては、食物繊維は、野菜類、穀類、豆類、きのこ類、いも及びでん粉類に多く含まれています。
意識して摂るようにしていきましょう!
そういえば食物繊維は足りていない気がするな~
今日から意識していこう!
理想の体脂肪率にするまでに必要な期間
体組成に変化が出るまでには、3ヶ月間が必要とされています。
よって、体脂肪率を理想の数値にするまでには、長期的な計画を立てていくことが必要です。
体脂肪率の計測は、家庭の体重計で簡単に調べることができ、多くの方が利用されているかと思いますが、1日で大きく増減し一喜一憂したご経験のある方もいらっしゃるかと思います。
家庭で計測する体重計は、筋肉に比べて脂肪組織の方が電気抵抗が高い(通りにくい)ことを利用し、体に微弱電流を流して体脂肪量を推定しています。つまり、体内の水分量や分布にも影響を受けます。
よって、朝よりも夕方以降の方が分布する水分が下半身に集まりやすくなるため、体脂肪率は低めに出る傾向にあります。
また、同様に食事を取ることで水分量が上がると低めに出る傾向にあり、トイレ後や入浴、運動によって水分量が下がると高めに出る傾向があります。
体脂肪は、なるべくいつも同じ条件で計測をすることができると参考にしやすくなります。
毎日、数字に踊らされてるよ~
体脂肪率は、参考程度にしようね!
健康的に体脂肪を減らして理想の身体に近づきましょう
ダイエットでは、無理な食事制限をして、体重だけにフォーカスするのではなく、体脂肪も減らしていくことが大切です。
一時的な体重減少のためのダイエットではなく、健康的に体脂肪を減らして、理想の身体作りをしていくためには、食事と運動を組み合わせて、継続していくことで、最大限の効果を発揮することができます。
運動経験がない方や運動が苦手な方は、専門知識を持っているトレーナーからアドバイスをもらうと効率的に体脂肪を減らしていくことができるでしょう。
理想の身体に近づけるよう、一緒に頑張りましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。