スクワットは、厚生労働省も推奨している運動の1つです。
多くの人がスクワットを代表的なトレーニングと評価しているのはなぜでしょうか?
主な理由として考えられるのは以下の3つです。
- スクワットは、多くの筋肉を使うことができる
- 老若男女問わずに実践することができる
- しゃがむという日常動作が基本になっている
正しいスクワットは、全身の約8割の筋肉を使うといわれるほど、効率的な運動です。
一方で、膝や腰を痛めてしまい、イマイチ効果を実感することができない人もいます。
今回は、スクワットのやり方を基本から応用まで、解説をしていきます。
スクワットの効果を最大限にしたい人、ご参考下さい。
スクワットはキングオブエクササイズ(トレーニング)ともいわれているよ!
スクワットって最強じゃん!
スクワットで鍛えられる筋肉
複数の筋肉を同時に使うトレーニングを「コンパウンド種目」といいます。
スクワットは、しゃがむという全身を使う動作ということもあり、約8割の筋肉が使われるといわれています。
では、具体的にはどこの筋肉になるのでしょうか?
実際にスクワットを行う時にも、使っている筋肉を意識をすることで効果が高まります。
早速、確認してみましょう。
- お腹(腹直筋)
- 背中(脊柱起立筋)
- お尻(大臀筋・中臀筋)
- 太もも(大腿四頭筋)
- 太もも裏(ハムストリングス)
- 内もも(内転筋)
- ふくらはぎ(ひらめ筋・腓腹筋)
この他、重心のバランスを取るのに「足裏や足の甲・指」など
バーベルやダンベルを使用した場合には「肩周りや腕・首・胸」など
全身の細かい部分まで、全て使うことで、一連の動作がスムーズにできます。
改めてスクワットは下半身だけじゃないんだね!
スクワットで約8割の筋肉を使うことができるというイメージがついたかな?
基本的なスクワットのやり方
それでは、基本的なスクワットのやり方を確認してみましょう。
まずは、基本の形から確認していこう!
よろしくお願いします!
- まずは、足を肩幅より少し広めに立ちます
- つま先は30〜45°位に開きましょう
- 膝と股関節の位置が平行(またはそれ以下)までしゃがんでいきましょう
- そのまま、同じように立ち上がっていきます
最初は、バランスを崩さないように、ゆっくり行うようにしましょう。
バーベルを担いで行う場合は、バーベルと重心の位置を合わせることで動作が安定します。
正しいスクワット時の呼吸
スクワットに限らず、筋トレをしている時の呼吸は、動作を安定させるために重要です。
基本的に、筋肉が縮んで力が入る時に息を吐き、緩めて力を抜く時に息を吸いましょう。
つまり、スクワットをする時は「しゃがむ時に息を吸い、立ち上がる時に息を吐く」ようにしましょう。
ただし、バーベルを担いで行う場合は、呼吸を止めて腹圧を高めることによって、力が発揮しやすくなる場合があります。
これによって、脊柱の安定感が生まれるので下半身の力が伝わりやすくなり、重量が上がりやすくなります。
この呼吸法を「バルサルバ法」というよ!
なんか…かっけぇ〜
ただし、1~2秒間は息を止めている状態が続きます。
血圧が高くなる、失神、めまい、顔が赤くなる、血管の破裂(内出血)などのリスクがあるので、疾患のある人は注意が必要です。
理想的なスクワットの回数
スクワットの回数は、目的に応じて変えるとよいでしょう。
以下は、バーベルなどで負荷をかける場合に限ります(重量は最高重量より換算してみてださい)
なお、自重トレーニングの場合は、10回を2~3セットを目安に行ってみてください。
それでは、確認してみましょう。(参考文献:NSCAジャパン)
筋力アップ
- 筋肉を大きくするよりも、最大のパワーを発揮したい人
- 体重及び体型ははあまり変えたくない人
重量 | 回数 | セット数 | インターバル |
70%以上 | 6回以下 | 1~3セット | 2~5分 |
筋肥大
- 筋肉を大きくしていきたい人
- 体格をよくしたい人
重量 | 回数 | セット数 | インターバル |
67~80%以上 | 8~12回 | 1~3セット | 30秒~1分30秒 |
筋持久力
- 筋肉を大きくするよりも、長く動けるようになりたい人
- 身体を引き締めるシェイプアップのための筋トレをしたい人
重量 | 回数 | セット数 | インターバル |
65%以下 | 10~15回 | 1~3セット | 30秒以下 |
間違ったスクワットの例
スクワットは「構造的エクササイズ(ストラクチュアルエクササイズ)」の1つです。
これは、脊柱に垂直方向の負荷がかかっていて、姿勢を保持しながら動作をする中で複数の関節が関与するエクササイズになります。
具体的には、スクワットやショルダープレスのように上からかかる重力に反抗するような動きや、
下から引き上げるような動きであるデットリフトやベントオーバーローイング等のことを指します。
脊柱に負荷がかかるメリットは、腹筋や背筋などの体幹部も鍛えることができるという点です。
一方で、当然のことながら腰や膝、股関節などに負荷がかかり怪我に繋がる可能性があります。
スクワットで間違ったフォームで行うことで、効果を実感できないばかりでなく、これらの関節を痛めてしまうかもしれません。
せっかくスクワットをやるなら、安全に怪我なくやりたいと思うのは、当然のことだと思います。
怪我のリスクを低減させるために、間違ったスクワットのやり方も確認しておきましょう。
やっぱり腰や膝は痛めたくないな〜
だよね!安全にスクワットを行うためのポイントを紹介していくよ
腰が曲がってしまう
腰が曲がってしまうことで、負荷が腰にかかってしまいます。
バーベルを使用して高重量で行う際は、特に注意が必要です。
逆に、反りすぎてしまうのも負担がかかります。
常に、身体が曲がらないような姿勢で行うことを意識しましょう。
膝とつま先の向きが合っていない
つま先の向きに対して、膝が内側(または外側)になりすぎてしまうと、膝に負担がかかってしまいます。
回数の多いトレーニングの際、疲れてきた頃には、特に注意をしましょう。
バーベルを担いでいる時も同様です。
この状態をニーイントゥーアウトといいます
膝が前に出すぎてしまう
膝が前に出すぎてしまうと、負荷が膝にかかってしまいます。
つま先よりも前に出すぎないようにイメージしてみてください。
足首が柔らかい人は、膝が前に出やすいので特に注意が必要です。
スピードをつけすぎる
スクワットを行う時に、勢いをつけて早くしゃがみすぎると、1番下までしゃがんだ時に一気に負荷がかかってしまいます。
勢いをつけて思いきりしゃがむのではなく、ある程度コントロールしながら行うようにしましょう。
バーベルのスクワットで担ぐ位置とやり方
ここでは、バーベルを使ったスクワットを行う人に向けての内容です。
バーベルをどの位置(高さ)で担ぐかによって、鍛えられる部位が変わります。
しっかり負荷をかけてスクワットをやりたい人、ご参考ください。
ハイバースクワット | ローバースクワット | |
バーベルの位置 | 首のあたり(僧帽筋の上) | 肩のあたり(三角筋の下) |
鍛えられる部位 | 太もも前(大腿四頭筋) | 太もも裏(ハムストリングス)お尻 |
特徴 | 身体を起こして行う形で、全体をバランスよく鍛えることができる | 身体を倒して行う形で、全体的に背面を鍛えることができる |
参考:Muscle activation varies between high-bar and low bar back squat
バーベルを担ぐ位置で、さらにカッコよく見えるようになる…だと…?
……。
ハイバー
バーベルを高い位置で担いで行うスクワットを「ハイバー」スクワットといいます。
所謂、一般的なスクワットの例です。
具体的には、首のすぐ下あたりでバーベルを担ぎます。
主に、大腿四頭筋(太もも前)を鍛えたい人にオススメの方法になります。
上半身を起こしたまま行う形になるので、腰への負担が軽減します。
しかし、背面の筋力が不足している場合は、上半身を真っ直ぐに保つことが難しく、腰に負担がかかってしまうので、注意が必要です。
ローバー
バーベルを低い位置で担いで行うスクワットを「ローバー」スクワットといいます。
一般的なスクワットの形というよりは、パワーリフティング等の競技をしている人が行うスクワットです。
具体的には、肩の後方(三角筋)のあたりでバーベルを担ぎます。
主に、太もも裏(ハムストリング)を鍛えたい人にオススメの方法になります。
上半身を倒して行うことで、背面の筋肉を広く使うことができるため、高重量のスクワットに挑戦したい人が使うテクニックの1つとされています。
一方で、肩・首・手首・腰にも負荷がかかるため、熟練者向けの方法といえるでしょう。
注意点としては「高重量のスクワットはこの方法でなければ挙げられない」ということではありません。
あなたの筋力やトレーニング歴に応じて、自分に合う方法を見つけていくようにしましょう。
こちらのブログもご参考ください。
【器具なし】自宅でできるスクワットのやり方
少し専門的なお話になりました。
スクワットは、ジムに行って負荷をかけなければできない運動ではありません。
次に、ジムに行かなくても自宅でできるスクワットのやり方をご紹介していきます。
まずはやってみることが重要です。
特に、運動不足を実感している人、是非チャレンジしてみてください。
回数は10回×3セットを目安にしてみてね
よっしゃ〜!頑張ります!
ハーフスクワット
|
膝や腰に不安がある人は、このように浅くしゃがむスクワットから始めるとよいでしょう。
腰が曲がらないように意識しましょう。
サイドスクワット
|
片方ずつ行う形のスクワットになります。
つま先と膝の向きが同じになることを意識しましょう。
ピストルスクワット
|
高難易度のスクワット種目になるので、自信のある人向けのメニューになります。
ただし、椅子の前に立った状態で行うことで、初心者の方でもできるスクワットになります。
片足スクワット(ブルガリアンスクワット)
|
こちらも、不安定な形のスクワットなので、周囲の安全確認をしてから実践しましょう。
上半身を起こした状態で行うと「太もも前側」
上半身を倒した状態で行うと「太もも裏・お尻」をメインで鍛えることができます。
壁スクワット
|
壁を使ったスクワットは、以下のバリエーションを追加することができます。
- 壁に背中をつけて、しゃがんだ状態でキープをする
- 壁に背中をつけて、しゃがんだ状態で片足だけ前に出してキープをする
こちらも合わせてトライしてみてください。
スロースクワット
|
膝や腰に不安がある人でも始めやすいスクワットです。ご高齢の方でも始めやすいスクワットです。
実は、年齢に関係なく想像しているよりもキツイと感じるかもしれません。
是非、挑戦してみてください。
ジャンプスクワット
|
着地をする時に、膝や腰に負荷がかかるため、注意が必要です。
瞬発力アップを目指していきたい人にオススメです。
フロントスクワット
|
通常のスクワットよりも、重心が前にブレないように意識しましょう。
上半身が前に倒れすぎないように調整します。
オーバーヘッドスクワット
|
しゃがむ時に、両手が下がらないように意識しましょう。
バランスが崩れないように、スピードを調整しましょう。
【器具あり】自宅でできるスクワットのやり方
スクワットに慣れてきたら、少しずつ負荷をかけて行うことで、より効果が高まります。
次は、器具を使って行うスクワットでありながら、ご自宅でもできる方法をご紹介していきます。
家にあるダンベルを使う時がキタ!!
早速、やっていこう!
ダンベルを使ったスクワット
|
肩の位置でダンベルを持つことで、負荷を上げることできます。
また、ダンベルが1つしかない人は、胸の前にダンベルを持つことで、同様にスクワットをすることができます。
先ほど紹介した「器具なしでできるスクワット」を実践する際にも応用することができます。
手軽に負荷を上げたい場合に、まずはダンベルを使ってみましょう。
チューブを使ったスクワット
|
チューブの張力で負荷をかけるスクワットになります。
チューブの太さによって、強度が変わるので、自分の筋力に合うものを選びましょう。
筋力に自信のない人は、足でチューブを踏み、残りの長さは手で持って行うことで強度を下げることができます。
ケトルベルを使ったスクワット
|
ケトルベルは、持ち手があるので両手でも持ちやすいという特徴があります。
ダンベルとの違いとして、重りが下方向のみにかかるというのも特徴の1つです。
初心者の方でも自宅で実践しやすいスクワットになります。
ヒップバンドを使ったスクワット
|
ヒップバンドも強度を選ぶことができるので、無理なくできるものを選びましょう。
ヒップバンドをつけることで、お尻を意識しやすくなります。
ヒップアップをしたい女性にオススメのアイテムになります。
正しいスクワットで効果を実感しよう
スクワットについて、いかがでしたか?
しゃがんで立つことは、日常生活の中でも度々行う動作でもあり、スクワットは、多くの人が実践しやすい運動であるといえます。
一方で、実は「やってみたら意外と難しい」と感じる人も多い運動でもあります。
スクワットの効果を最大限にするためには、正しい形を習得しましょう。
横浜トレーニングスタジオLESTAでは、トレーニング初心者の方が安心して始められるように、スタッフが常駐しています。
今回、ご紹介したスクワットのやり方についても、スタッフが丁寧にご案内させていただきます。
正しいスクワットは、筋力アップからダイエットまで幅広く効果が期待できるトレーニングです。
私たちと一緒に、理想の身体作りを楽しんでいきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。