トレーニングをする際に、しっかり踏ん張ることができるかどうかは重量を挙げる大切なポイントです。
特に、地面と直接触れているシューズは、パワーの発揮を大きく左右する重要なアイテムといえるのではないでしょうか?
今、ランニングシューズのようなクッション性の高いシューズでトレーニングをしている方、シューズを変えるだけで長年にわたり停滞しているベスト記録を更新することができるかもしれません。
シューズは、それくらい違いを実感することができるアイテムです。
今回は、フリーウエイトの目線から、パワーリフティングの際に適したシューズをご紹介していきます。
これからもあなたのトレーニングが充実することを願っています。
パワーリフティングをするのに適したシューズってどんな感じかな?
シューズを変えると記録もアップするかもよ!早速みていこう!
パワーリフティングで使用可能なシューズの規定
パワーリフティングは、スクワット・ベンチプレス・デットリフトの3種目において、挙げられる重量を競うスポーツです。
よって、様々なルールに沿って行われます。
そのルールの中には、シューズに関する規定もあり、当然、どのようなものを履いてもいいというわけではありません。
以下、日本パワーリフティング協会より引用になります。(2023年2月時点)
- 大会においては、スポーツシューズ、スポーツブーツ、ウェイトリフティング用またはパワーリフティング用シューズに準じたものを使用すること。(靴の裏に金属の滑り止めが付いたもの、スパイク類は禁止する)
- ビジネスシューズやブーツ、ハイヒールなどおおよそ、スポーツに相応しくないものは認められない。
- 5本指シューズなどの足趾分離型のシューズや、アウトドア(トレッキング用)のシューズも使用できない。
- 靴の踵の高さは5㎝を超えてはならない。
- 靴の中敷きは最大で1㎝の厚さまでとする。
- 靴底は平らであること。ウェイトリフティングシューズの様に、最初の製品の状態で平らでないものは使用を認められる。
- 靴底は元々のデザインされたものを加工してはならない。
一般的に皆さんがトレーニングをする際に履いているシューズはスポーツ用であると思いますので、今のシューズでも特に問題ないかと思います。
ただし、5本指シューズに関しては、もしも大会に出場するのであれば、使うことができないので注意しましょう。
そうだ!裸足でやればいいんじゃない?
う~ん…残念ながら靴を履かないと出場することはできないよ!トレーニングの時も思わぬ怪我を予防するため靴を履こう!
パワーリフティングで使いやすいシューズのタイプ
ある程度、常識的な範囲ではあったかと思いますが、ルールについては把握できましたでしょうか?
これらのルールを踏まえて、パワーリフティングで使うシューズにはいくつかの種類があります。
踵の高さに応じて大きく2種類になります。
それぞれのメリットとデメリットを踏まえて、ご紹介していきます。
踵の高いシューズのメリットは少しでも背を高く見せることができる!
……。
踵が高いシューズ
踵が高くなっているのがウエイトリフティングシューズ・パワーリフティングシューズになります。
デメリットとして自然と重心が前に流れやすくなるため、履きなれていく必要があります。
メリットとして足首が硬い人は、このシューズを履くことによってしゃがみやすくなる可能性があります。
例えば、スクワットでしゃがみにくい又はしゃがんだら踵が浮いてしまう。という方にオススメです。
踵が低いシューズ
踵が低くなっているのが、レスリングシューズや足袋のようなタイプのシューズになります。
デメリットとしては、足全面で地面を踏むことができないと力が伝わりにくかったり、滑ってしまったりすることです。
メリットとしては、踵が高いシューズとは逆に重心の位置を決めて踏ん張りたい人にオススメです。
後で説明しますが、デットリフトは重心の位置が前にいくと不安定になるため、踵が低いシューズを選ぶとよいでしょう。
パワーリフティングシューズを選ぶ時の3つのポイント
パワーリフティングのシューズを選ぶ時に意識したい3つのポイントになります。
これからシューズを検討する際の参考になれば幸いです。
- サイズが合っているかどうか
- 力を発揮しやすいかどうか
- 滑りにくいかどうか
1つずつ確認してみましょう。
シューズを選ぶ時の参考にしてみよう!
どれも大切なポイントになりそうだね!
サイズが合っているかどうか
まず、大切なのは「サイズ」です。
大きいサイズであれば履きやすいかもしれませんが、靴の中で足が動きすぎてしまうため注意が必要です。
しっかりフィットしているものを履くことで、安定感が生まれます。
また、メーカーによってサイズ感が変わってくるので、履いたことがないメーカーの場合は、試着してみるといいでしょう。
力を発揮しやすいかどうか
シューズ選びは、パワーを発揮することができるかどうかが重要です。
先にご紹介したサイズと合わせて踵の高さを調整してみましょう。
力の伝わり具合が変わってくるかと思います。
実際に靴を履いて比較できるとベストだと思いますが、日によってコロコロ変えるのはオススメしません。
ある一定の期間は、同じシューズで試行錯誤しながらやってみるとイメージがつきやすくなります。
滑りにくいかどうか
多くのトレーニング用シューズは、靴底が滑りにくい仕様になっているので、特に気にならない方も多いかもしれません。
しかし、パワーリフティングの大会となると、床は薄いカーペットのような布の素材であることが多く、どこか足元に不安が残ります。
滑るようなイメージになると力が伝わりにくく、集中力が欠けてしまいます。
滑りにくいシューズは、靴底がゴム素材になっている等、工夫されています。
後ほどご紹介しますので、チェックしてみてください。
パワーリフティングのルールに合わせたシューズ選びの方法
シューズを決める基準を確認したところで、実際のパワーリフティング種目に当てはめていきましょう。
スクワット・ベンチプレス・デットリフト、それぞれの種目のルールからシューズに関連する場面をふまえてシューズ選びの解説をしていきます。
スクワット | 踵が高いシューズ・踵が低いシューズどちらでもOK |
ベンチプレス | 踵が高いシューズ・踵が低いシューズどちらでもOK |
デットリフト | 踵が低いシューズがオススメ |
スクワット
スクワットのルールとして、試技中に最も注目されるのは「しゃがむ深さ」になります。
失敗とジャッジされる約9割がこの深さであるといっても過言ではありません。
よって、スクワットのシューズを選ぶ時には、スムーズにしゃがむことができるかどうかを1つの基準にしましょう。
また、スクワットは、肩に重量を担いでしゃがむので、しゃがんだ時に足がグラつかないということも重要です。
靴にクッション性があるものは、足の衝撃を緩和させる目的のスポーツに有効となります。
スクワットにおいて、走ったり跳んだりする動作はないので、足に対する衝撃吸収効果は必要とされません。
よって靴底にはクッション性がないシューズがオススメです。
シューズの踵の高さは好みになります。合うものを選びましょう。
ベンチプレス
ベンチプレスのルールとして、「お尻を浮かせてはいけない」「足裏を浮かせてはいけない」というルールがあります。
お尻を浮かさずに挙げるということは、足で踏ん張り続けることが必要になります。
シューズは足で地面を押す(蹴る)イメージがつきやすいものにしましょう。
また、お尻を浮かせない、足を浮かさないという両方の面から滑りにくさも重要です。
踵の高さについては好みになりますが、滑りにくいという点においては共通して選ぶ方がよいでしょう。
デットリフト
デットリフトのルールとして「足が前後左右にずれる」のは失敗となりますが、浮いた足が元の位置に戻れば反則にはなりません。
なお、ダウンという合図の後に、足が横にずれることは反則ではありません。
これはどういう意味かというと、足を目いっぱいに広げてデットリフトを行うやり方があり、そのまま降ろすと足を挟んでしまう可能性があるため、それを解消する手段として足を横にずらす人がいます。
デットリフトでは、足を横に広げてやる方法(ワイドデットリフト)があり、高重量を挙げる多くの人がその方法を採用しています。
動作中に足の踏ん張りがきかず、滑ってしまうと大変危険です。
よって、デットリフトでは滑りにくいシューズであることを第一優先に選んでみましょう。
さらに、デットリフトは引き上げる距離が短い方が有利になるため、靴底が薄いものを選択するとよいでしょう。
また、靴底が薄いことで滑り止めの効果も高まります。
3種目それぞれに合わせてシューズが必要な気がしてきた…
トップ選手になると種目ごとにシューズを変えてトレーニングをしている人もいるよ!
パワーリフティングシューズのおすすめ7選
最後にオススメのパワーリフティングシューズをご紹介させて頂きます。
パワーリフティングシューズは試着することができる店舗がほとんどないため、基本的にネットでの注文となります。
面倒にはなりますが、注目時には返品対応しているかどうか確認しておきましょう。
待ってました!!
お待たせ!お気に入りのシューズを探してみてね!
ナイキ
商品名 | メトコン8 |
踵の高さ | 3.5cm |
重量 | 約332g (27cm 片方) |
価格 | 14,300円 |
公式サイト | https://www.nike.com/ |
デザイン性が高く、新商品も続々と出てくるため、人気の高いシューズになります。
踵が少し高くなっています。土踏まずのサイドにラバーがついており、横方向の動きにも安定感がある印象です。
もっと踵が高いシューズで、ロマレオスというシリーズの商品があり、こちらも大変人気です。
現在、公式サイトでの取り扱いはないようですが、Amazonなどで取り扱っている場合もあるので、ご興味のある方は検索してみてください。
アディダス
商品名 | パワーリフト5 |
踵の高さ | 3.4cm |
重量 | 約436g |
価格 | 13,200円 |
公式サイト | https://shop.adidas.jp/ |
こちらもアディダスの人気シリーズとなっています。
こちらのシューズの踵は、Nikeと同じ位となっています。
黒と白のシンプルなデザインとなっており、万人受けするシューズでしょう。
メッシュ素材となっているため、通気性も抜群です。
リーボック
商品名 | レガシーリフターⅡ |
踵の高さ | 5.0cm |
重量 | 約598g |
価格 | 24,200円 |
公式サイト | https://reebok.jp/ |
踵の高さが5cmと他のメーカーより2~3cmも高い仕様になっています。
踵の高さに慣れるのに少し時間がかかるかもしれません。
デザインはメタリックで重厚感があります。
実際の重量も他メーカーより重くなっており、重さがかかっても強く踏ん張れる印象です。
アシックス
商品名 | ウエイトリフティング |
踵の高さ | 3.5cm |
重量 | 記載なし |
価格 | 39,600円 |
公式サイト | https://www.asics.com/ |
ウエイトリフティングの日本代表選手からも愛用されているシューズです。
アッパーの素材には天然皮革が使われているため、使えば使うほど足に馴染んでいくようなシューズになります。
踵の素材は木となっていますが、靴底はラバーの加工がしてあるので、滑りにくい仕様となっています。
最も特徴的なのは、踵の部分が独立しているという点です。
本来ウエイトリフティングを専門に作ったシューズのため、このような仕様になっていると思われ、踵を上げやすくなっています。
JIRIKI
商品名 | JKP-#1 Ver.2 |
踵の高さ | 1.2cm |
重量 | 記載なし |
価格 | 8,900円 |
公式サイト | https://jiriki.store/ |
足袋靴の老舗メーカーがパワーリフティング専用に作ったシューズになります。
靴底はハイパーVという滑りにくいゴム素材を使用しており、グリップ力に定評のあるシューズになります。
また、ハイカットシューズということもあり、足元から全身を支えてくれる頼れるシューズの1つです。
NOTORIOUS LIFT(ノートリアスリフト)
商品名 | NOTORIOUS LIFTERS GEN 2:ステルス |
踵の高さ | 2.7mm |
重量 | 記載なし |
価格 | 7,660円~ |
公式サイト | 公式サイト:Notorious Lift 日本正規代理店:MBC power |
こちらは、アメリカのメーカーとなっており、パワーリフティングのために作られた専用シューズになります。
とにかく薄く、手で簡単に曲げられるほど柔らかなソールとなっていますが、床に吸い付くようなグリップ力があります。
特にデットリフトをする際に最適なシューズになります。
定期的に新商品が販売されており、デザイン性も富んでいます。
また、少しずつ改良されていて、足裏のグリップやサイドの補強ラバー追加など、これからも多くのユーザーの希望を叶えてくれることでしょう。
サイズに関してはチャート表を参考に注文してみてください。
レスリングシューズ(アシックス)
商品名 | SPLIT ELITE |
踵の高さ | 記載なし |
重量 | 約250g(27cm) |
価格 | 15,000円 |
公式サイト | https://www.asics.com/ |
踵の低いシューズとしてレスリングシューズもおすすめです。
当然、レスリングをする際のシューズになっているため滑りにくく、ハイカットになっているためホールド力もあります。
サイズやデザインも多いので、選びやすいと思われます。お好みのものを探してみてください。
パワーリフティングのシューズを試してみよう
ここまでパワーリフティングのシューズはいかがでしたでしょうか?
踵の高さやデザイン等、色々な種類があって悩んでしまうという方もいらっしゃるかと思います。
自分のレベルが上がってきたら、合うシューズは変わっていきます。
またフォームを変えたりしても、合うシューズは変わってくるでしょう。
シューズとともに、パワーリフティングで自分の成長を楽しんで頂ければと思います。
これらは、あまり店舗での試し履きができないのが難点なのですが、JIRIKIシューズに関しては、当スタジオで試着ができます。
さらに、アンバサダーショップとなっているため割引でご案内ができます。
ご関心のある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。