パワーリフティングの大会は、4つのカテゴリーに分かれていることをご存知でしょうか?
パワーリフティングに関しては「エクイップ(Equip)」「クラシック(Classic)」の2種類となっています。
ベンチプレスに関してだけは、独立していて、ベンチプレスのみの大会があります。
同様に「エクイップ」「クラシック」の2種類となっています。
以上、4種類の中から、今回はパワーリフティングのクラシックについてご紹介していきます。
パワーリフティングっていくつかの種類があるんだね!
パワーリフティングのクラシック、奥深いよ!
パワーリフティングクラシックの歴史
パワーリフティングは「エクイップ」「クラシック」の2つのカテゴリーがあると説明しましたが、この呼び方になったのは最近です。
2011年までは、世界選手権はエクイップ部門しかありませんでした。
2012年にワールドカップクラシックパワーリフティング選手権がスウェーデンのストックホルムで開催され、そこからクラシックパワーリフティング選手権が盛り上がるようになってきました。
それ以降は、区別がつきやすくなるように大会名に「クラシック」という名称が使われるようになっています。
ちなみに、世界選手権では別名「オープン」、国内の大会では「全日本選手権」という大会名の時は、エクイップ部門になります。
エクイップは「ギア」、クラシックは「ノーギア」と呼ばれることがあるよ!
こっちの方が言いやすいな……
パワーリフティングクラシックの特徴
では、パワーリフティングには「クラシック」と「エクイップ」の2つの部門があることが分かったところで、次はこれら2つの違いや特徴について紹介していきます。
お願いします!
普段のトレーニングで、皆さんはどのようなアイテムをお使いになられますか?
腰にベルトを巻くという方は多いと思いますが、その他にも以下のようなアイテムがあります。
- 腰…ベルト
- 手首…リストラップ
- 肘…エルボースリーブ
- 膝…ニースリーブ
参考:IPF Powerlifting Instagramより
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これらを付けて大会に出場することができるのが「クラシック」です。(但しエルボースリーブは除く)
これらは各関節を保護する役割があるよ!部分的なイメージだね!
これに対して、パワーリフティング専門のウエアを「ギア」といい、それらを着用して大会に出場することができるのが「エクイップ」です。
先ほどのクラシックのアイテムに対して、身体全体をサポートするウエアを着用します。
以下のアイテムになります。
- スクワット…スクワットスーツ・ニーラップ
- ベンチプレス…ベンチシャツ・リストラップ
- デットリフト…デットリフトスーツ
参考:IPF Powerlifting Instagramより
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クラシックは、自分のパワーを最大限に発揮する。まさに真っ向勝負というようなイメージです。
エクイップは、自分のパワーを発揮しつつ、ギアを着こなすというテクニックの要素が加わるようなイメージです。
どちらも重量を挙げるというパワーリフティングというスポーツとしての魅力があります。
エクイップは装備するという意味なんだよね!
おお!さすが!
パワーリフティングクラシックの開催地と開催期間
パワーリフティングクラシックは開催地が毎年変わります。
国内大会と世界選手権の過去5年間の開催地と開催期間をまとめました。
僕の地元でもやってるのかな~?
早速、確認してみよう!
国内
2023年 | 佐賀県三養基郡 | 基山町総合体育館 | 3月17日~19 日 |
2022年 | 鹿児島県沖永良部島 | おきのえらぶ文化ホール | 3月12日~13日 |
2021年 | 兵庫県明石市 | パワーフラッシュアリーナ | 2月20日~21日 |
2020年 | 長野県白馬村 | 白馬村多目的研修集会施設 | 11月15日~17日 |
2019年 | 茨城県つくば市 | つくばカピオ | 2月9日~11日 |
世界選手権
2023年 | マルタ(バレッタ) | 6月11日~17日 |
2022年 | 南アフリカ(サンシティ) | 6月6日~11日 |
2021年 | スウェーデン (ハルムスタッド) | 10月3日~9日 |
2020年 | 中止 | 中止 |
2019年 | スウェーデン(ヘルシンボリ) | 6月4日~15日 |
2020年と2021年は、新型コロナウイルスの影響でイレギュラーな日程になったり、中止となったりしましたが、日程に関しては大体共通の時期に開催されていることが分かります。
開催される場所に関しては、毎年変わっています。
運営と選手の負担を考慮しているのだと思われます。
今回は一般(全ての年齢を対象としたクラス)にてご紹介させて頂きました。基本的にカテゴリーごとに開催されますが、合同で行う場合もあります
普段は行かない所に行くキッカケになるのは楽しいかも!
パワーリフティングクラシックの記録
では、パワーリフティングのクラシックに出場してみたい方は、何キロくらいを目安としたらよいでしょうか?
ここからは標準記録・日本記録・世界記録の順にご紹介していきます。
いま自分のレベルはどれくらいかな?
チェックしてみよう!
標準記録
まずは標準記録のご紹介です。
全日本レベルの大会に出場する際には、標準記録をクリアしている必要があります。
なお、今回のものは、2023年度に適用されているものになります。(標準記録)
標準記録は更新されることがあるため、最新情報をチェックしてみてください。
それぞれ年齢別となっているため、以下、確認してみてください。
- 一般…年齢に関係なく全ての方が対象
- サブジュニア…14歳~18歳まで
- ジュニア…19歳~23歳まで
- マスターズ1…40歳~49歳まで
- マスターズ2…50~59歳まで
- マスターズ3…60~69歳まで
日本記録
次に日本記録です。
今回のカテゴリーは、一般になります。
他のカテゴリーや詳細についてはこちらをご確認ください。(2023年2月時点)
【男性】
階級 | スクワット | ベンチプレス | デットリフト | トータル |
59kg級 | 208 | 170.5 | 248 | 587.5 |
66kg級 | 247 | 190.5 | 282.5 | 685 |
74kg級 | 282.5 | 212 | 305 | 745 |
83kg級 | 270 | 215 | 320 | 735 |
93kg級 | 289 | 240 | 320 | 773 |
105kg級 | 320 | 220 | 310 | 830 |
120kg級 | 320 | 221.5 | 315 | 820 |
120+kg級 | 350 | 221 | 335 | 851 |
【女性】
階級 | スクワット | ベンチプレス | デットリフト | トータル |
47kg級 | 130 | 80.5 | 157.5 | 365 |
52kg級 | 140 | 100 | 158 | 367.5 |
57kg級 | 150 | 110 | 171 | 405 |
63kg級 | 180 | 105.5 | 205 | 457.5 |
69kg級 | 172.5 | 95.5 | 211 | 463 |
76kg級 | 155 | 95 | 157.5 | 397.5 |
84kg級 | 167 | 95 | 192.5 | 412.5 |
84+kg級 | 175 | 95 | 170 | 440 |
世界記録
最後に世界記録になります。
こちらに関してもカテゴリーは一般に限定させて頂きます。
他のカテゴリーや詳細についてはこちらをご確認ください。(2023年1月時点)
ちなみに、世界記録に関しては、国際大会でのみ樹立することができます。
【男性】
階級 | スクワット | ベンチプレス | デットリフト | トータル |
59kg級 | 240 | 171 | 275 | 669.5 |
66kg級 | 271 | 213.5 | 300 | 710.5 |
74kg級 | 283 | 212 | 322 | 790 |
83kg級 | 320.5 | 218.5 | 362.5 | 841 |
93kg級 | 331 | 238.5 | 373.5 | 878.5 |
105kg級 | 360 | 233.5 | 390 | 937.5 |
120kg級 | 386 | 253 | 385.5 | 978.5 |
120+kg級 | 477.5 | 291.5 | 398 | 1105 |
【女性】
階級 | スクワット | ベンチプレス | デットリフト | トータル |
47kg級 | 160.5 | 99 | 185 | 426.5 |
52kg級 | 171 | 113.5 | 202 | 438 |
57kg級 | 185.5 | 123 | 230 | 495 |
63kg級 | 213 | 143..5 | 231 | 556.5 |
69kg級 | 205.5 | 144 | 240 | 548 |
76kg級 | 223 | 145.5 | 261.5 | 600 |
84kg級 | 243.5 | 147.5 | 260 | 636.5 |
84+kg級 | 273.5 | 164.5 | 257.5 | 671.5 |
パワーリフティングクラシック大会に出場する方法
すごい記録に圧倒されてしまった方もいらっしゃるかと思います。
ここからは、パワーリフティングクラシック大会に出場する方法についてご紹介していきます。
「まだ弱いから勝てる重量を挙げられるようになってから」と気負いせず、まずは気軽な気持ちで大会に出場してみてはいかがでしょうか。
「やってみたい」と思った時が吉日!ってことだね!
その通り!
都道府県大会
大会に出場するには「選手登録」が必要です。(こちらから登録することができます)
次に、大会は各都道府県で定期的に開催されているので、各都道府県の公式HPより日程を確認してみましょう。
あとは、締切日までに申込みをすればエントリーは完了です。
当日、会場まで行き、いざ本番となります。
なるほど。まずはどこの県でやっているのか確認してみよう!
そうだね!まずは、移動距離が少ない所から探してみたらどうかな~
全日本選手権
全日本選手権に出場するためには、先ほど紹介した標準記録を突破する必要があります。
全日本選手権の申込み期限までに、各都道府県で開催されている大会で記録を取りましょう。
なお、記録の有効期限は1年になっています。
全日本選手権で標準記録を取ることができていれば、その記録は有効となるので、翌年も全日本選手権に出場することが可能です。
もちろん、出場しただけではなく標準記録突破する記録を出さないと有効にはならないよ!
あ!そっか!出場して満足するところだった!!
世界選手権
世界選手権に出場するためには、選考会とされる大会(全日本選手権)にて各階級1名(優勝者)が選出されます。
もし、空き枠がある場合には、同じ階級内で2人出場することができる場合もあります。
2人以上の選考は以下の通りです。
選考の優先順位は次の通りである。 ①そのクラスの優勝者②上記①の該当者が辞退した場合、辞退者と同階級の2位の選手③この時点で空き枠が発生する場合、②に該当しない各階級2位の選手で、フォーミュラの高い順に選考する。④この時点で空き枠が発生する場合、②及び③の選考方法に準じ3位、またはそれ以下に繰り下げて選考する。
フォーミュラというのは、体重に対して挙げられた重量の比率を計算した数値になります。
よし!世界大会に出るために頑張るぞ~!
いいね!その意気だよ!
パワーリフティングクラシック大会の当日の流れ
パワーリフティング大会の出場方法が分かったところで、大会会場に到着してから本番を迎えるまでの、より実践的な当日の流れについてご紹介していきます。
初出場のクマくんは要チェックだよ!
おお、助かるな~!よろしくお願いします!
検量
まずは、申込みをした大会の階級の範囲内で収まっているかどうかの確認があります。
体重測定にて検量をクリアしましょう。
検量は、多くの大会で競技開始時間の2時間前から始まります。
検量の受付時間は開始時間から1時間半までとなっているため、この時間内に検量をクリアしましょう。
体重をオーバーしている場合は検量時間内であればセーフだよ!
よかった~!
でも、当日のパフォーマンスに関わるから減量は計画的にやろうね!
検量時には、検量以外にもやらなければならないことがあります。
検量の際に、申込書兼記録書を持っていき、各種目の第一試技の重量を申請しておきます。
また、その他にも以下について確認しておきましょう。
- スクワットラックの高さ
- ベンチラックの高さ
- 足板の有無
- セーフティーバーの高さ
- ベンチプレスのラック出しが必要かどうか(必要な場合センターヘルプかサイドヘルプ)
普段、使っているメーカーとは違う機材を使うことがあるので、確認は必須だよ!
なるほど!
コスチュームのチェック
競技の公平性を保つため、当日に着用する衣類には適性検査があります。
下着から靴まで、着用するものの全てが対象となります。
以下、主な対象品になります。
- Tシャツ
- ツリパン
- 靴下
- ロングソックス(デットリフト用)
- 靴
なお、以下のトレーニングアイテムを使用する場合は、同様にチェックが必要です。
- ベルト
- ニースリーブ
- リストラップ
自分の使っているアイテムが規定内であるかどうかについて、細かい規定に関してはこちらからご確認ください。
最も確実なのは、パワーリフティング専門用品を購入することです。
ルールに関しては、更新されることがあるので、最新のものを確認しましょう。(2023年2月時点)
ウォーミングアップ
ウォーミングアップに関しては、ご自身のペースや内容に合わせて行いましょう。
本番前には、充分にパフォーマンスを発揮することができるように、いつも通りの内容を意識できるといいですね。
出場人数が多い場合は、ウォーミングアップ場が混み合うこともあるので、周囲の様子を見ながら進めていきましょう。
本番
ここまで来れば、あとはやるのみ!
緊張もあると思いますが、これまでの練習を思い出して、自分の力を信じてやってみましょう!
これで、当日の流れが分かったよ!あとは、やるだけだー!
もし、分からないことがあったら、運営の人に聞いてみよう!
パワーリフティングクラシックの楽しみ方
パワーリフティングクラシック大会は、純粋なパワー対決です。
最後にパワーリフティングクラシックを楽しむ方法についてご紹介していきます。
一緒にパワーリフティングクラシックを始めていきましょう。
パワーリフティングクラシックの楽しみ方を教えてください!
さぁ、いってみよう~!
プレイヤーとして
まずは、自分自身がパワーリフティングクラシックを行うプレイヤーとしての楽しみ方です。
これについては、長々と説明するよりも、実際にやっていく方が早いような気がします。
少しずつ実力がついてきて、頑張った成果が重量という形で反映されることが喜びに変わっていきます。
もし、大会に出場するようであれば、順位がつくことでモチベーションも上がります。
筋肉がついてきて、体型も少しずつ変わっていくことでしょう。
観客として
次に、観客としての楽しみ方になります。
パワーリフティングクラシック大会では、選手の白熱したバトルを間近で観戦することができます。
選手の息遣いを感じたり、集中した真剣な眼差しについ応援したくなる雰囲気があります。
また、何かの記録に挑戦する時は、アナウンスの方が大いに盛り上げてくれ、例え失敗しても挑戦を称える拍手が自然と出てくる和やかな雰囲気があります。
知り合いがいた方が、応援の甲斐があるかと思いますので、身近に大会に出場する方がいる時には、是非とも足を運んでみてはいかがでしょうか。
運営のサポート役として
最後に、運営のサポート役としての楽しみ方になります。
選手がパフォーマンスを最大限に発揮することができるよう、大会の運営にはスムーズな進行が求められます。
審判員は、資格を取る必要があるのですが、選手の試技を最も近くで見ることができます。
なお、1番大変なのは、重量や高さの変更を行う補助員です。
進行の中心となるサポート役になるため、手際の良さが求められますが、スピード感のあるプレートの付け替えは圧巻です。
選手が運営役を兼任して大会を盛り上げ、サポートしてくれていることも多く、選手目線で進行する大会は頼もしいの一言に尽きます。
パワーリフティングクラシックを始めてみたい方へ
パワーリフティングのクラシック、いかがでしたでしょうか。
大会に出場しなくても、トレーニングをしているだけで楽しい時間を過ごすことができるのがパワーリフティングです。
当スタジオでは、大会に出場してみたいという方も、そうでないという方も、いつも和気あいあいとトレーニングをされています。
あなたも自分だけの楽しみ方を見つけてみてください。
少しでも興味を持ってもらえれば嬉しく思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。