筋トレ

【最新版】パワーリフティングのルール完全解説

トレーニングを始めて、もう少し実力がついてきたら、大会に出場してみたいな~と思ったことはありませんか?

大会となると、様々なルールが適用されるので、普段のトレーニングと勝手が違ってきます。

今ではなく、将来的に大会に出場してみたいと思っている方も、ルールを把握しておくと大会へのイメージが湧きやすくなります。

各種目のルールから、その他服装や使用できるアイテム等、幅広くご紹介していきます。

少しでも大会に興味のある人は、参考にしてみてください。

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クマ

いつか大会に出場することができたらいいな~

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ねこ

そうだね!まずはパワーリフティングのルール確認から始めてみよう!

 

パワーリフティングの大会でルールを確認するべき3つの理由

パソコン登録

パワーリフティングの大会に出場する前にルールを確認しておくべきです。

理由としては、以下3点になります。

  • 出場できない可能性がある
  • 出場しても失格(記録なし)になる可能性がある
  • 数年に1度、改正されることがある

 

それぞれ確認してみましょう。

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クマ

うわ!ルールの確認って大切かも…

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ねこ

そうだね、1つずつ理由をみていこう!

 

出場できない可能性がある

パワーリフティングは、当日に検量が行われます。

オーバーしてしまっている場合は再検量となりますが、もしも時間内にクリアできない場合は、オープン参加(順位がつかない)または出場不可となることがあります。

大会に出場する前に引っかかってしまうのは、非常に残念なので、無理のない階級で出場するようにしましょう。

 

また、パワーリフティングの大会では、ルールに適用している道具を使用しなければいけません。

事前に行われるチェック(コスチュームチェック)で検査が行われます。

万が一、使えないアイテムがあったとしても出場することはできますが、使い慣れた道具で最大のパフォーマンスを発揮するためには、自分のアイテムを事前に確認しておく必要があります。

後でご紹介していきますが、アイテムに関するルールも把握しておきたいところです。

 

失格になる可能性がある

次に、大会の準備が整った後、実際の試技の中での注意点になります。

実際に試技をしても、ルールを把握していないと成功の判定をもらうことができません。

パワーリフティングでは各種目、3回重量に挑戦することができるのですが、その中で1つも成功にならなかった場合は失格(記録なし)となってしまいます。

練習で行っている方法と、大会で成功の判定をもらうことができるかどうかは違います。

特に注意するべきは、審判員からコールがあることです。

普段は自分のタイミングで練習しているかと思いますが、大会ではそういうわけにはいきません。

初めて大会に出場する方が、コールを無視してしまい、うっかりミスすることは多々あります。

ルールの確認不足で失格にならないよう、ルールの確認をしておきたいところです。

 

ルールは改正されることがある

現行のルールは、数年に1度、見直されることがあります。

ここ数年であれば、ベンチプレスのルール改正や、デットリフトの降ろし方に日本独自のルールも適応されています。

また、ルールとは少し離れますが、標準記録の変更もある場合があり、記録を把握していないと出場することができない可能性もあります。

日本パワーリフティング協会の最新情報をチェックしておきましょう。

 

パワーリフティングの年齢と体重に関するルール

体重計に乗る足元

それでは、ここからは、細かいルールについて確認していきたいと思います。

まずは年齢と体重に関するルールです。

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クマ

永遠の18歳!

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ねこ

……。

 

年齢について

年齢については、以下のように区分されています。

一般の部というのは、年齢に関係なく全ての方が対象となります。

なお、複数のカテゴリーが同日に開催される大会の場合は、ダブルエントリーが可能です。

例えば「一般とジュニア」「一般とマスターズ」のように2つのカテゴリーにおいて記録が有効となります。

この場合、参加費は少し高くなりますが、入賞や記録更新の可能性を高めたいという方はオススメの方法です。

 

【年齢区分(カテゴリー)】

一般 14歳以上全ての出場者が対象
サブジュニア 14歳~18歳まで
ジュニア 19歳~23歳まで
マスターズ1 40歳~49歳まで
マスターズ2 50歳~59歳まで
マスターズ3 60歳~69歳まで
マスターズ4 70歳~79歳まで
マスターズ5(※日本国内のみ適用) 80歳以上

 

一般以外の年齢区分については、カレンダーイヤーが採用されています。

カレンダーイヤーは1月1日から12月31日までの間の年齢で区分されます。

少しややこしいので、以下のパターンを参考に、ご自身に当てはめてみてください。

(例)6月1日に24歳を迎えるAさんが、3月1日の大会に出場する場合(当日は23歳)であってもジュニアのカテゴリーとは認められない。

(例)現在49歳のBさんは、10月1日の大会に出場するが、11月1日に40歳になるので、マスターズ1として出場が認められる。

 

体重について

体重に関しては、当日に検量が実施され、範囲内に収まっていればクリアとなります。

階級に関しては、以下の表をご確認ください。

男性・女性ともに8つの階級に分かれています。(サブジュニアとジュニアは9階級)

体重はオーバーしてしまっている場合は、その階級内に収まるように減量が必要となりますが、階級以下の場合も注意が必要です。

1つ下の階級よりは体重が多くなければならないので、少なければ少ないほど良いというわけではないので、その点に関しても確認しておきましょう。

 

男性

59kg級 59.00kgまで
66kg級 59.01~66.00kgまで
74kg級 66.01~74.00kgまで
83kg級 74.01~83.00kgまで
93kg級 83.01~93.00kgまで
105kg級 93.01~105.00kgまで
120kg級 105.01~120kgまで
120kg+級 120.00kg以上

※サブジュニア・ジュニアは53kg級を含む9階級となります。

 

女性

47kg級 47.00kgまで
52kg級 47.01~52.00kgまで
57kg級 52.01~57.00kgまで
63kg級 57.01~63.00kgまで
69kg級 63.01~69.00kgまで
76kg級 69.01~76.00kgまで
84kg級 76.01~83.00kgまで
84kg+級 83.00kg以上

※サブジュニア・ジュニアは43kgを含む9階級

 

パワーリフティングの服装とアイテムに関するルール

シューズを履く人

次は、大会に出場する時の服装やアイテムに関するルールになります。

服装については、一般常識内のルールとなりますが、アイテムに関しては規定があります。

普段、使用しているものが使用できるか確認しましょう。

今回はクラシック大会の場合に限定してご紹介していきます。

クラシック大会については、以下のブログをご参考ください。

 

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クマ

今、使っているベルトや靴が大会本番で使えないと困るな~

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ねこ

そうだね!確認してみよう!

 

基本の服装

大会に出場する際には「ツリパン」を着用することとされています。

ツリパンとは、均一素材で出来たリフティング用スーツでパワーリフティング用、陸上競技用、レスリング用、エアロビクス用、ウェイトリフティング用等のものである。
参考:日本パワーリフティング協会

 

イメージとしては、Tシャツを着用し、その上にツリパンを履くような形で大会に出場することがルールとなっています。

全国大会に出場する際は、公認メーカー以外のものを使用することはできないため、注意が必要です。

なお、デットリフトに関してだけは、ロングソックスを着用しなければいけません。(スクワットとベンチプレスに関しては指定はありません)

つまり、簡単にいえば、ツリパンを用意するだけで、ほとんどいつも通りトレーニングしている服装で大会に出場することができます。

Amanda Lawrenceさん
画像:SBD Apparel Japan

 

靴について

大会で使用することができるシューズは、以下の通りです。

大会においては、スポーツシューズ、スポーツブーツ、ウェイトリフティング用またはパワーリフティング用シューズに準じたものを使用すること。(靴の裏に金属の滑り止めが付いたもの、スパイク類は禁止する)
ビジネスシューズやブーツ、ハイヒールなどおおよそ、スポーツに相応しくないものは認められない。
5本指シューズなどの足趾分離型のシューズや、アウトドア(トレッキング用)のシューズも使用できない。
参考:日本パワーリフティング協会

 

こちらも5本指シューズ以外であれば、普段トレーニング時に使用しているシューズで問題ないかと思います。

こちらのブログもご参考ください。

 

ベルトについて

ベルトの着用は任意となっていますが、使用する場合には以下の規定があります。

ベルトは皮またはビニール・ナイロン製のもの、1層もしくは2層以上の場合には、接着剤または縫い合わせ均一になっていること。(背の部分だけが厚くなっているようなものは使用できない)
参考:日本パワーリフティング協会

 

ベルトの寸法に関しては以下の通りです。

・幅10㎝以内
・厚さ13㎜以内
・バックルの内側の幅は11㎝以内
・バックルの外側の幅は13㎝以内
・ループの幅は5㎝以内
・ベルトの端とループの端までは25㎝以内
・ループは1本のみとする。

上記のように、ベルトの寸法に関しては、細かい規定がありますが、パワーリフティング用のものであれば問題なく使用することができるので、初めからパワーリフティング用のものを購入するのもオススメです。

 

ニースリーブについて

ニースリーブの着用に関しても任意となりますが、使用する場合には、以下の規定があります。

ニースリーブを使用しても良い。長さは30㎝以内、厚さ7㎜以内とし、ストラップや紐、またはマジックテープが付いているのは使用できない。
参考:日本パワーリフティング協会

 

こちらもパワーリフティング用の商品であれば、問題なく使用することができます。

ニースリーブに関しては、着用する際に他の人に手伝ってもらったり、ビニールなどの滑りやすいものを使用してはいけないとのルールもあります。

自分の脚のサイズに合うものを選ぶようにしましょう。

 

リストラップについて

リストラップの着用に関しても任意となりますが、使用する場合には、以下の規定があります。

・幅8㎝、長さ1m以内のもの。(ワッカタイプも同様)リストバンドは幅10㎝以内であれば使用しても良い。但し、この2つの併用は禁止する。
・親指ループをしたまま試技をすることは禁止する。
・リストラップを使用するにあたり⇒場合は、手首関節より上2㎝、下10㎝、トータル12㎝を超えないこと。
参考:日本パワーリフティング協会

 

リストラップに関しても、他のアイテム同様、パワーリフティング用の商品であれば、問題なく使用することができます。

悩んだ時は、パワーリフティング用のものがオススメです。

親指ループとは、リストラップを使用する際に手首に巻き付けやすくするための輪がついています。

それを親指に引っかけることで巻きつけることができるのですが、試技をする際には親指から外すことを忘れないようにしましょう。

 

パワーリフティングの競技実施方法についてのルール

ベンチプレスをする男性

ここからは大会に出場した時に把握しておきたい実施中のルールになります。

大会の進行や流れをイメージしておきましょう。

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ねこ

大会の流れを確認しておこう!

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クマ

おお!これは実践的!

 

順番について

パワーリフティングの順番は、グループの全員が第1回目の重量に挑戦し終わったら、第2回目の重量に進んでいきます。

第1回目の重量は、当日に渡される申込書兼記録票に事前に書き込むことになっています。

1つのグループは最大15名まで(ベンチプレスのみの大会は20名まで)となっており、申請した重量の低い人から順番に試技を行っていきます。

1つのセッションに15名以上リフターがいる場合には必ずグループを分けなければならない。1つのセッションは単一クラスで構成しても複数のクラスで構成しても可とする。主管協会の裁量に委ねる。10~14名リフターがいる場合は、グループを分けても、1グループするも可能とする。シングルベンチプレス競技大会の場合は、1グル-プにつき20名以内で構成出来る。
参考:日本パワーリフティング協会

 

重量の申請方法について

第2回目以降の重量の申請方法については、当日に、重量申請カードと呼ばれる用紙を渡されます。

その紙に希望の重量を書き込み、進行役員に渡すことで申請が完了します。

大切に持っておきましょう。(※参考1)

 

試技終了後、次の重量申請は、速やかに行いましょう。(※参考2)

1分以内に重量申請が完了されなかった場合は、自動的に重量が決定されてしまいます。

試技が終わった安心感で、うっかり忘れてしまう人も多いので、注意が必要です。

 

ウォーミングアップをしている時に、予定していた(申請済みの)第1回目の重量を変更することは可能です。(※参考3)

その日の調子に合わせて、適切な重量を選択しましょう。

ただし、変更は1回まで・競技開始3分前または前のグループの3試技前までとなっているので、変更をしたい場合は、タイミングに気を付けましょう。

なお、第二試技以降、スクワットとベンチプレスに関しては、変更することはできません。

デットリフトに関してのみ、第三試技を2回まで変更することができます。(デットリフトも第二試技の変更はできません)

こちらも変更可能なタイミングが決まっているので、注意しましょう。

 

(※参考1)第1試技は、申込書兼記録票に書き込む。第1試技を終えたリフターは、リフターまたはコーチが第2試技の重量を重量申請カードに書き込み、指定役員に1分以内に渡さねばならない。同様に第3試技も行い、3種目共これを行う。
参考:日本パワーリフティング協会

(※参考2)各リフターは、各試技終了後1分以内に次の重量を申請しなければならない。1分以内に申請がない場合は、自動的に次の重量が決定される。
成功試技の場合⇒自動的に2.5㎏アップした重量になる。失敗試技 の場合自動的に失敗した重量(同重量)になる。
参考:日本パワーリフティング協会

(※参考3)各種目共にスタート重量は、1回だけ申請重量の変更が認められる。但し、競技開始の3分前までに、または、前のグループの第3ラウンド残り3試技までに申し出なければならない。ただし、グループ間に数分間のインターバルを取ると告知されている場合には、試技開始の3分前までとする。
3種目共、第2試技の変更はできない。スクワットとベンチプレスでは、第3試技も変更できない。デッドリフトでは第3試技において、2回まで申請重量を増減してもよい。但し、アナウンサーが「バー・イズ・ロ-デッド」を放送する前でなければ変更は認められない。
参考:日本パワーリフティング協会

 

日本だけのルールに注意

日本だけのルールとして、デットリフトの降ろし方にルールがあります。

イメージとしては、床に叩きつけるような形で自然落下させるのではなく、スピードをコントロールしながら、ゆっくりと降ろしていくような形になります。

自己ベスト記録に挑戦している場合、ギリギリの重量での実践は厳しいルールだと思いますが、最後まで気を抜かないようにしましょう。

バーを戻すとき、両手でコントロールしてプラットフォームに置くまで手を離してはならない。「ダウン」の合図後でも、手を滑らせてバーを落とした場合は失敗となる。バーはプラットフォームに静かにコントロールして降ろす事、コントロールして降ろす意思が無い選手は日本国内独自のルールとして“失敗試技”とする。
参考:日本パワーリフティング協会

 

パワーリフティングの各種目のルール

トレーニングをする男性

本番は、ここからです。

パワーリフティングの各種目のルールについて確認しましょう。

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パワーリフティングはスクワット→ベンチプレス→デットリフトの順番で進んでいくよ!

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クマ

むむっ…!大会で優勝するために各種目のルールを確認しておかなければ…!

 

スクワット

まずはスクワットになります。

特に「深さ」「合図」の2点については確認しておきましょう。

・リフターはバーをラックから外し 適当な位置まで下がり足の位置を決めチーフレフリーの合図を待つ。 そしてリフターが静止しバーが正しい位置にセットされたら合図をする。チーフレフリーは手を上から下に振り下ろし「スクワット」と言う。
・チーフレフリーのスタートの合図の後、選手は膝を曲げ、“B”ヒップジョイント部の大腿部上面が“A”膝の上面より低くなるまでしゃがむこと。
スクワットの深さ
・リフターは、自分の意志で立ち上がり、膝を完全に伸ばしまっすぐ立つ。この時立ち上がる動作を繰り返したり(ダブルバウンス)、バーが拳上途中で下がる動作をしてはならない。リフターが静止した所でチーフレフリーは、バーをラックに戻すよう合図する。
・バーをラックに戻す合図は、手を後方に振り「ラック」と言う。リフターは静かにバーをラックに戻す。バーを自力で戻す努力を怠ってはならない。
・リフターはプラットフォームの正面に顔を向ける。
参考:日本パワーリフティング協会

 

度々、出てきた「チーフレフリー」とは、中央に座っている審判の人のことです。

そのグループの進行の要となる人です。

各合図には、手の動きが伴うため、もしも合図が聞こえなかった場合でも、チーフレフリーの動きを見ておくことで対応できます。

審判は、左右斜め前の位置に1人ずつおり、合計3名の審判によってジャッジされます。

試技の判定は、審判員3名のうち、2名以上の合格判定で成功となります。

 

ベンチプレス

次にベンチプレスになります。

後述しますが、2023年1月よりベンチプレスのルールが変更となっています。

まずは基本のルールの確認になります。

・リフターは頭、両肩、両臀部がベンチ台の面に接触するよう仰向けに寝なければならない。
・バーは両手共に“サム・アラウンドグリップ”で握り、手掌面でバーを安全確実に保持しなければならない。
・両足の靴底全面は床面または足台に水平につけていること。靴底の形状に近い水平な状態なら可能とする。試技中はこの姿勢を保っていなければならない。
・バーの握り幅は、左右の人差し指間で最大81㎝とし、人差し指は81㎝のマークより内側の部分になければならない。
・バーをラックから外した後、リフターは肘を伸ばしてチーフレフリーの合図を待つ。
・合図は、手を振り降ろしながら「スタート」と言う。
・リフターは合図を聞いて、バーを胸または腹部(ただし、ベルトに触れないこと)まで降ろし、バーを一旦静止させる。チーフレフリーの「プレス」という合図の後、バーを押 し上げる。
・リフターは肘を伸ばした状態までバーを押し上げ静止する。チーフレフリーは、リフターの肘が完全に伸びきり静止したのを確認して「ラック」と言う。
参考:日本パワーリフティング協会

 

以上のポイントを簡単にまとめると以下の通りです。

  • 頭、肩、お尻はベンチプレス台につけたまま行うこと
  • 足裏は床についていること
  • 81cmのラインが隠れる位置で握ること(それより外側で握らない)
  • バーベルを外したら肘を伸ばした状態で維持する
  • バーベルを胸まで付けてから押し上げる
  • 肘が完全に伸びるまで押し切る

 

 

ベンチプレスの新ルール

この基本ルールに加えて、2023年から適用された新ルールは以下の通りです。

  • セットアップをする時にベンチプレス台に足を乗せてはいけない(※参考1)
  • 両方の肘関節の下側を、それぞれの肩関節の上面または下面と水平に下げないといけない(※参考2)

 

以前までは、バーベルを胸まで着けるために、高いブリッジを組むことで、可動距離を狭くすることを1つのテクニックとしていました。

今回の新ルールでは、肘の位置が肩と平行まで下がることとされており、より一層、パワーの勝負となっていきそうです。

 

(※参考1)The lifter must lie on his back with head, shoulders and buttocks (the picture PROPER STARTING POSITION & SETUP show the minimum acceptable) in contact with the bench surface. The feet must be flat on the floor (as flat as the shape of the shoe will allow).
His hands and fingers must grip the bar positioned in the rack stands with a thumbs around grip. This position shall be maintained throughout the lift. Foot movement is permissible but must remain flat on the platform. During the set-up on the bench, the athlete is not allowed to place his/her feet on the bench.
国際パワーリフティング協会・ルールブックより

(※参考2)After receiving the signal, the lifter must lower the bar to the chest or abdominal area whereby the underside of both elbow joints is lowered level with or below the top surface of each respective shoulder joint (the bar shall not touch the belt), hold it motionless, after which the Chief referee will signal the audible command “Press “The lifter must then return the bar to straight arms’ length elbows locked. When held motionless in this position the audible command “Rack” shall be given together with a backward motion of the arm. If the bar is lowered to the belt or does not touch the chest or abdominal area, the Chief Referees command is “Rack”.
国際パワーリフティング協会・ルールブックより

 

参考として、国際パワーリフティング協会が発表している肘の高さになります。

良い例

ベンチプレス新ルール成功 ベンチプレス新ルール成功

 

悪い例

ベンチプレス新ルール失敗ベンチプレス新ルール失敗

 

デットリフト

最後にデットリフトになります。

特に「合図」「完了姿勢」の2点については確認しておきましょう。

・リフターは、バーを両手で握り1回の連続動作で、完全な直立姿勢まで引き上げる。
・手幅は自由とする。
・リフターは、プラットフォームの正面を向かねばならない。
・引き上げが完了したとき膝は良く伸ばされ、肩は後方に返さなければならない。
・チーフレフリーは、リフターの試技が完了したら「ダウン」と言うと共に片手を振り降ろして合図を送る。
・バーが完全に静止しリフターが試技完了姿勢をとった時に合図が送られる。
・試技開始の合図はしない。リフターは自分のタイミングで試技を開始する。
・床に置いてあるバーが少しでも浮いたり、引こうと努力しても浮かなかった場合、これを1試技とみなす。従ってこの試技は失敗となる。
参考:日本パワーリフティング協会

 

デットリフトは、他の種目と違って、自分のタイミングでスタートしても良いのですが、重量の付け替え完了からは1分以内にスタートしましょう。

デットリフトの完了姿勢で「肩を返す」というのは、反り返るということではなく、直立姿勢で適度に胸が張られていて、肩の位置が後方にスライドするような形のことを指します。

引き上げて終了ではなく、引き上げきった姿勢も含まれるため、普段のトレーニングから意識しておくといいでしょう。

また、その際に、膝を伸ばしきることもポイントとなります。

引き上げる途中で、バーベルを大腿部に乗せて滑らせるように支えながら上げると失敗となってしまうので、こちらも注意しましょう。

なお、前述しましたが、デットリフトに関しては降ろし方にも注意しましょう。

 

パラパワーリフティングのルール

ベンチプレスをする男性

下肢に障がいのある方が出場することができるのが、パラパワーリフティングになります。

競技名はパワーリフティングとついていますが、実施する種目はベンチプレスのみとなります。

健常者のベンチプレスと同様に、バーベルを胸まで着けて押し上げます。

細かいルールの違いはありますが、重さでしなるほどプレートがついたバーベルを一気に上げられる姿は圧巻です。

世界では、約300kgを上げる重量級の選手もいるとのことで、健常者の記録を超えるほどです。

ご興味のある方は、パラパワーリフティングを見てみてください。

日本パラパワーリフティング連盟

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クマ

パラパワーリフティング、すごい!!

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ねこ

パラリンピックは日本選手を応援しよう!

 

パワーリフティングのルールを知って大会に出場してみよう

青空と両手を広げる人

パワーリフティングのルールについて、いかがでしたか?

入念に準備をしても、初めての大会では、誰もが緊張します。

ただ、ルールや競技について、知っておくことで緊張が緩和することもあるので、初めて大会に出場する人ほどルールの確認が必要だと思います。

各種目のルールにもあったように合図や挙げ方については、1人ではカバーしにくい部分もあると思うので、詳しい人に確認してもらうことがオススメです。

いつかパワーリフティングの大会に出場してみたいとお考えの方は、当スタジオへお気軽にご相談ください。

私たち横浜トレーニングスタジオLESTAは、あなたのやってみたいを応援しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

酒巻 依子

酒巻 依子

LESTA代表。高校時代にパワーリフティングと出逢い全日本パワーリフティング選手権では2014年~2016年まで3連覇を果たす。現在はジム内で会員さんたちのサポート・指導を行っている。

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