階級のあるスポーツといえば、ボクシングや柔道などのコンタクトスポーツの印象が強いと思います。
階級を設ける理由の1つとして、体重がある人の方が筋肉量が多く、体重が少ない人の方が筋肉量が少ないことが明らかになっているためです。
階級を分けることで、様々な人が競技に参加し、平等に競い合うことができるようになっています。
パワーリフティングにおいても、体重による体格差は、パワー(挙上重量)に直結することもあり、階級別のスポーツとなっています。
体重の軽い人が、たくさんのプレートをつけて挙げる姿に感服し、体重の重い人が、バーベルが少し曲がるほどの重量を挙げる姿に驚愕し、大会では、それぞれの階級で、熱い戦いが繰り広げられていきます。
もしも、あなたが大会に出場するとしたら、適切な階級はどのくらいになるのでしょうか?
これまで、パワーリフティングを含め、数々のスポーツで大会に向けて無謀な減量や増量を行い、健康を害してしまった人もいます。
パフォーマンスに影響するだけでなく、心身ともに大きな負担となることから、適切な階級を選ぶことは大切です。
適切な階級の決め方もご紹介していくので、パワーリフティングの階級を参考にしてみてください。
パワーリフティングって階級制だったんだ~
男女ともに8階級に分かれているよ!早速、確認していこう!
パワーリフティングの階級について
早速、パワーリフティングの階級を確認してみましょう。
パワーリフティングは「当日の検量」となっています。
リカバリーのために検量開始時間から、少なくても2時間は空けることがルールになっています。
階級は低ければ低いほどいいということでもないよ!下限も決まっているから確認しよう!
階級より下なら大丈夫だと思ってた!
男性
59kg級 | 59.00kgまで |
66kg級 | 59.01~66.00kgまで |
74kg級 | 66.01~74.00kgまで |
83kg級 | 74.01~83.00kgまで |
93kg級 | 83.01~93.00kgまで |
105kg級 | 93.01~105.00kgまで |
120kg級 | 105.01~120kgまで |
120kg+級 | 120.00kg以上 |
※サブジュニア・ジュニアは53kg級を含む9階級となります。
女性
47kg級 | 47.00kgまで |
52kg級 | 47.01~52.00kgまで |
57kg級 | 52.01~57.00kgまで |
63kg級 | 57.01~63.00kgまで |
69kg級 | 63.01~69.00kgまで |
76kg級 | 69.01~76.00kgまで |
84kg級 | 76.01~83.00kgまで |
84kg+級 | 83.00kg以上 |
※サブジュニア・ジュニアは43kgを含む9階級
パワーリフティングの階級と記録~男性~
ここからは階級別に日本記録と世界記録をご紹介していきます。
まずは、男性のパワーリフティングの記録になります。
今回はクラシックパワーリフティング(一般)部門に限定させて頂きます。
参考:日本パワーリフティング協会
参考:国際パワーリフティング連盟
まずは男性だね!
すごい記録ばかりだよ!
日本記録
階級 | スクワット | ベンチプレス | デットリフト | トータル |
59kg級 | 208kg | 170.5kg | 248kg | 587.5kg |
66kg級 | 247.5kg | 190kg | 282.5kg | 685kg |
73kg級 | 282.5kg | 212kg | 305kg | 745kg |
83kg級 | 270kg | 215kg | 320kg | 735kg |
93kg級 | 289kg | 240kg | 320kg | 773kg |
105kg級 | 320kg | 220kg | 310kg | 830kg |
120kg級 | 320kg | 221.5kg | 315kg | 820kg |
120kg級+ | 350kg | 221kg | 335kg | 851kg |
※2023年2月時点
世界記録
階級 | スクワット | ベンチプレス | デットリフト | トータル |
59kg級 | 240kg | 171kg | 275kg | 669.5kg |
69kg級 | 271kg | 213.5kg | 300kg | 710.5kg |
73kg級 | 283kg | 212kg | 322kg | 790.5kg |
83kg級 | 320.5kg | 218.5kg | 362.5kg | 841kg |
93kg級 | 331kg | 238.5kg | 373.5kg | 878.5kg |
105kg級 | 360kg | 233.5kg | 390.5kg | 937.5kg |
120kg級 | 386kg | 253kg | 385.5kg | 978.5kg |
120kg級+ | 477.5kg | 291.5kg | 398.5kg | 1105kg |
※2023年1月時点
パワーリフティングの階級と記録~女性~
次は、女性のパワーリフティングの記録を階級別にご紹介していきます。
同様に、今回はクラシックパワーリフティング(一般)部門に限定させて頂きます。
参考:日本パワーリフティング協会
参考:国際パワーリフティング連盟
女性も確認してみよう!
むむ…負けられないッ!!
日本記録
階級 | スクワット | ベンチプレス | デットリフト | トータル |
47kg級 | 130kg | 80.5kg | 157.5kg | 365kg |
52kg級 | 140kg | 100kg | 158kg | 367.5kg |
57kg級 | 150kg | 110kg | 171kg | 405kg |
63kg級 | 180kg | 105.5kg | 205kg | 457.5kg |
69kg級 | 172.5kg | 95.5kg | 211kg | 463kg |
76kg級 | 155kg | 95kg | 157.5kg | 397.5kg |
84kg級 | 167kg | 95kg | 192.5kg | 412.5kg |
84kg級+ | 175kg | 95kg | 170kg | 440kg |
※2023年2月時点
世界記録
階級 | スクワット | ベンチプレス | デットリフト | トータル |
47kg級 | 160.5kg | 99kg | 185kg | 426.5kg |
52kg級 | 171kg | 113.5kg | 202kg | 438kg |
57kg級 | 185.5kg | 123kg | 230kg | 495.5kg |
63kg級 | 213kg | 143.5kg | 231kg | 556.5kg |
69kg級 | 205.5kg | 144kg | 240kg | 548kg |
76kg級 | 223kg | 145.5kg | 261.5kg | 600kg |
84kg級 | 243.5kg | 147.5kg | 260kg | 636kg |
84kg級+ | 273.5kg | 164.5kg | 257.5kg | 671.5kg |
※2023年1月時点
パワーリフティングで階級を決める基準について
ここからは、あなたが階級を決める際の基準についてになります。
初心者の方から中上級者の方まで、参考にしてみてください。
どの階級にしようか迷うなぁ~
階級を決める時の参考にしてみてね!
自分の平均体重を基準に決める
まずは、最も一般的な階級の決め方になります。
おそらく8~9割の方が、今現在の自分の体重を基準に階級を決めています。
身長によってある程度の骨格が決まってしまうため、同じ階級の人は平均的に同じ位の身長であることが多いです。
減量や増量を意識する必要がないため、トレーニングに集中することができ、パフォーマンスも上げやすいことがポイントです。
相手(ライバル)を基準に決める
次に、大会で勝つことを強く意識している方は、相手(ライバル)を基準に決める人もいます。
今の実力では、到底及ばないような人がいると入賞が難しくなるという判断からです。
あえて下の(または上の)階級に体重をコントロールします。
この階級の決めかたは、上位入賞を狙っている人が検討するような形となりますので、中上級者向けです。
取りたい記録を基準に決める
全国レベルの大会に出場するためには、出場資格となる標準記録を取らなければいけません。
現在の実力に対して、取りやすい記録を基準にする場合は、この方法で階級を決める方法もあります。
ただし、どの階級にしても大きく難易度が変わるわけではないので、無理な減量や増量でコンディション崩してしまうようであれば意味がありません。
こちらも中上級者向けの方法になります。
参考までに、以下に標準記録をご紹介しておきます。
【標準記録・2022年時点】
パワーリフティングの階級を変えるタイミング
トレーニングをしていると、筋肉量の増加などによって体重のコントロールが難しくなってしまうことがあります。
大会の直前は水抜きをしなければクリアできないほど、厳しい減量に悩まされている方。
または、なかなか体重が増えずに毎回の食事が苦痛になるまで食べているという方もいらっしゃるかもしれません。
階級を変えるべきかお悩みの方、ご参考ください。
うぅ…減量がキツイ…
体重のコントロールが厳しすぎる時は、無理をせずに階級を変えることも選択肢に入れよう!
体重コントロールが難しいと感じる時
毎日、体重計に乗っては一喜一憂し、とにかく体重に意識を向けていなければ落ち着かないような場合は、階級の変更をおすすめします。
パワーリフティングにおいて、階級内に収まるように調整することは重要ですが、本来は挙上重量を競う競技です。
体重コントロールのせいで、記録を出せないのであれば本末転倒ではないでしょうか?
毎回、厳しい体重コントロールをしている場合は、無理をせずに階級を変えてパフォーマンスを上げることに集中できるようにしましょう。
種目や時期によって変える
パワーリフティングの大会は、1年を通じて各地で開催されています。
暖かい時期は軽い階級、寒い時期は重い階級にする等、時期によって階級を変えている人もいらっしゃいます。
また、ベンチプレスだけの大会の時は階級を変える等、種目によって変えるのも方法の1つです。
あなたの身体は、日々少しずつ変化しています。
1つの階級にこだわらずに、広い視野でパワーリフティングを楽しんでみてください。
パワーリフティングの階級を下げる方法
階級を下げるということは、少なからず筋肉も減少してしまいます。
特に、サウナ等による水抜きでの急激な減量は、体内の水分不足により手足が攣ってしまうことがあり、当日のパフォーマンスに大きく影響するため、あまりオススメはできません。
できる限りパワー(筋肉)が落ちないようにするために、急激な減量よりも数ヶ月間かけて徐々に体重を落としていくようにしましょう。
具体的には、1ヶ月間で5%位が限度といわれています。
なるべく運動量を維持したまま、少しずつ摂取カロリーを抑えていきましょう。
この際、特に女性アスリートは「女性アスリートの三主徴(利用できるエネルギー不足、視床下部性無月経、骨粗しょう症)」と呼ばれる問題もあり、過度な減量は健康を害してしまうため、注意が必要です。
ボクサーは前日の計量でリカバリーの時間が確保できるという点もあり、厳しい水抜きをすることもあるよ!
なるほど、パワーリフティングは当日の検量だから、水抜きは合わない人も多そうだね
パワーリフティングの階級を上げる方法
次に、階級を上げる方法になります。
ただ単に「何でもいいから食べればよい」というわけではなく、脂肪より筋肉量の増加を目指していかなければいけません。
減量時にもいえることですが、体重や体脂肪率だけではなく、除脂肪体重にも注目してみましょう。
除脂肪体重とは、筋肉、骨、内臓、体脂肪を除く様々な器官の重量のことであり、筋肉量の増減を知ることができます。
お菓子やジャンクフードではなく、タンパク質をしっかり摂り、バランスの整った食事を心掛けましょう。
除脂肪体重(LBM=Lean Body Mass)=体重ー(体重×体脂肪率)で計算できるよ
筋肉量は、除脂肪体重の半分位といわれているので、それも参考にしてみてね!
パワーリフティングは階級も楽しみの1つです
パワーリフティングの階級について、いかがでしたでしょうか?
自分自身がパワーリフティングを実践している方にとって、同じ階級の人というのはライバルでありながらも、切磋琢磨できる仲間です。
違う階級でも、素晴らしい記録や挑戦には拍手と称賛が送られ、お互いを尊重し合う雰囲気があり、スポーツマンシップに則った運営も魅力となっています。
パワーリフティングにご関心がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
私たちは、あなたの挑戦をサポートさせて頂きます。
最後までお読みありがとうございました。