5~6年前、ベターッと開脚できるようになる本が話題になりました。
180°開脚は、身体の柔軟性を表す象徴のようなイメージがあり憧れる方も多いと思います。
今回、ご紹介する股関節を柔らかくするストレッチを行って頂くと、180°開脚に近づくだけでなく、姿勢改善や疲労回復に効果があります。また、腰痛予防など、身体へのメリットがたくさんあります。
また、ストレッチはシチュエーションによって使い分けることで、さらに高い効果が発揮されます。
就寝前と運動前では、ストレッチのやり方が変わってくるので、参考にしながら行ってみてください。
180°開脚、あんなに開いたらすごいな~
一緒にやっていこう!
股関節を柔らかくするメリット
股関節を柔らかくすることで得られるメリットを1つずつみていきましょう。
- 猫背や反り腰を改善することができる
- 歩幅が広がり歩きやすくなる
- 疲労の回復がしやすくなる
- 将来の腰痛を予防できる
姿勢の改善ができる
骨盤の向きが姿勢に大きく影響します。
骨盤が前に倒れること(前傾)で、腰に負担がかかる反り腰になってしまい、逆に骨盤が後ろに倒れること(後傾)で、背中が丸まってしまい猫背になりやすくなってしまいます。
よって、骨盤周辺にある筋肉が動きやすい状態であることが大切です。
そこで、股関節のストレッチを行い、柔軟性を上げることがポイントになってきます。
股関節を柔らかくすることで、姿勢の改善が期待できます。
歩きやすくなる
私たちの歩幅の目安として、ゆっくり歩くと1足分、普通に歩くと1.5足分、大股で歩くと2足分といわれています。
股関節、膝、足首が、常に連動して動いていることで効率的に歩行することができます。
しかし、股関節の動きが固くなっていくと、歩幅が狭くなり、スムーズに足を前に運ぶことができません。
何もないところでつまずいてしまったり、転倒をして怪我をしてしまう可能性が高まります。
股関節を柔らかくすることで、関節可動域が確保され、歩きやすさに繋がっていきます。
ちなみにロコモティブシンドロームのテストには2ステップテストという歩幅をチェックする項目が入っているよ
なるほど。歩幅は日常生活動作ができるかどうかの1つの目安になるんだね。
疲労の回復が促進される
股関節周辺には、鼠径部にリンパ節があります。
リンパ系の役割は多々ありますが、その内の1つに老廃物を除去する働きがあります。
タンパク質、有害な生物(ウィルスなど)、老廃物をろ過します。
リンパ節内の免疫細胞が、タンパク質、細菌やウイルス、細胞の代謝から生じた老廃物などを攻撃、倒し、最終的にリンパ液はきれいな状態で静脈へと戻っていきます。リンパ系は体にとって下水道、浄水場のような存在です。
股関節を柔らかくすることで、鼠径部にある血行がよくなると同時に、リンパ系の働きも活性化されます。
股関節を柔らかくすることで、血液の浄化が促され、疲労回復効果が期待できます。
腰痛予防が期待できる
股関節は、自分の体重を支えて動くという役割があるため、球関節という可動域を広く取れる関節になっています。
この関節がスムーズに動くことで、歩いたり、走ったり、身体を捻ったりすることができ、複雑な動作でもスムーズにできます。
しかし、股関節周辺がスムーズに動かないと、様々な場面で腰への負担がかかってしまいます。
股関節を柔らかくすることは、将来的に腰痛を予防することに繋がります。
将来のことも考えて今から股関節のストレッチは習慣にしておこう!
メリットがたくさんあったね!
運動前におすすめの股関節を柔らかくするストレッチ方法
運動前には、ゆっくりじんわり伸ばすストレッチよりもリズムをつけて関節の可動域を広げていく方法がおすすめです。
関節を大きく動かすことで、筋肉が連動して一緒に動いていきます。身体の代謝が上がり、体温も上がっていきます。
よって、ウォーミングアップ及び準備運動としておすすめです。
動的ストレッチ(スタティックストレッチ)というよ!ちなみに、ラジオ体操は動的ストレッチとして有名だよ!
あ!準備運動で学生の頃にやってた!
股関節のストレッチ①
- 足を肩幅より広げて、四つん這いになる
- 両手を少し前に着いたまま、腰を後ろに引く
- リズミカルに繰り返す
ポイント
身体が、足の間に入るように足幅を調整しましょう。
股関節のストレッチ②
- 足を横に広げて開脚をする
- 両手を膝にあてたまま、足を内側と外側に交互に回旋させる
- リズミカルに繰り返す
ポイント
足がしっかり動くように、膝にあてた手で補助しながら行いましょう。
股関節のストレッチ③
- 両手を腰にあてる
- そのまま左右、水平に動いていく
- 次第に動く幅を広げていく
- 最終的に膝が伸びるところまでダイナミックに動く
ポイント
重心を下げたまま行うことで股関節周りが動かしやすくなってきます。
トレーニングの前に取り入れてみます!
身体が温まって怪我の予防になるよ!
寝る前にできる股関節を柔らかくするストレッチの方法
次は、寝る前に行う股関節を柔らかくするストレッチになります。
先ほど、紹介したストレッチとは対照的に、1つの筋肉に焦点をあててじんわり最大限に伸ばしていく方法になります。
リラックス効果もあるため、就寝前に行うことがおすすめです。
こちらは静的ストレッチ(スタティックストレッチ)というよ!
股関節のストレッチ①
- 膝立ちになり、片足を1歩前に出す
- 出した足の膝に両手をのせる
- ゆっくり重心を前にスライドさせる
- 股関節が伸ばされていると感じたところでキープ
ポイント
背中を曲げないようにし、身体を真っ直ぐにしたまま行いましょう。
股関節のストレッチ②
- 膝を立て、反対の足首を膝にのせる
- 両手を後ろに着いて、少しキープする
- 膝の内側を下に向かって押し、少しキープする
ポイント
背中を少し丸めると姿勢が取りやすくなります。
股関節のストレッチ③
- 仰向けになり両膝を90°に立てる
- 両足を左側に倒して、左足を右足にのせる
- 上半身は、右に倒してキープする
- 反対も同様に行う
ポイント
足をのせるのが難しい方は足を揃えて倒す方法で行いましょう。
今日はよく眠れそうだ~
お疲れ様でした!
股関節を柔らかくする方法は継続することで成果となる
特に身体が硬い方は、ストレッチは痛みを伴う時間という認識が強く、苦痛かもしれません。
なかなか習慣にできずに挫折してしまった方も多いと思います。
私たちの筋肉は、適切な長さを維持する仕組みになっています。
そこでストレッチをしている時、筋肉が急に伸ばされると筋紡錘という筋肉のセンサーが危機と認識し、脊髄に縮むように指示が出ます。これを伸張反射といいます。
股関節を柔らかくするするためには、一気に伸ばすより、なるべくゆっくりと、じんわり行うことで、伸張反射の働きを抑えることができます。ゆっくりと痛すぎない範囲で10~30秒程を目安に行ってみてください。
これを継続していくことで、ゆっくりと股関節が柔らかくなってきます。
股関節を柔らかくするためには、継続して行うことです。
個人差はありますが、2~3週間程が目安になります。
早く成果を出そうとして無理矢理、伸ばすのではなく、続けることができる強さでじんわりストレッチをしていきましょう。
痛くても我慢して無理矢理やってた…
反動をつけすぎると筋肉や腱を痛めてしまうこともあって危険だよ!
股関節を柔らかくして楽しく身体を動かそう
股関節を柔らかくすることで、スポーツだけでなく日常生活においても過ごしやすくなります。
身体を自由自在に、楽に動かせることで、できることが増え、活動範囲が広がれば若々しさを維持することができるようになります。
股関節を柔らかくして、これからも楽しく身体を動かしていきましょう!