ファンクショナルトレーニングとは？効果的なメニュー例もご紹介

「ファンクショナルトレーニングって、どんな運動なの？」

聞いたことはあっても、やり方が分からないという人も多いと思います。

また、プロがやる高度な運動というイメージがる人もいらっしゃるのではないでしょうか。

ファンクショナルトレーニング特徴は、身体を整えながら自然と筋力やバランスを鍛えることができることです。

これから身体作りの基礎をしていきたい人にオススメです。

今回は、ファンクショナルトレーニングの効果や始め方を分かりやすく解説していきます。

「運動は苦手だけど何かやりたい人」から、「もっとスポーツのパフォーマンスを上げたい人」まで一緒に楽しく始めましょう！

 

ファンクショナルトレーニングとは？

まずは、ファンクショナルトレーニングについて確認してみましょう。

 

ファンクショナルは、英語で「機能的」「実用的」という意味です。

機能的というのは、本来持っている機能を十分に発揮することでもあります。

動作では、特定の動きに対して役立つ筋肉を鍛えて、身体の機能を向上させることを指します。

• しゃがむ
• 立ち上がる
• ジャンプする
• 走る等

 

つまり、日常で行う動作をよりスムーズに行うことができるようにすることがファンクショナルトレーニングです。

ファンクショナルトレーニングというと、アスリートが取り入れている印象がある人も多いかと思います。

これらの動作は、スポーツにおいても基本姿勢になるためです。

ただし、その他の人に関係ないというわけでもありません。

身体を機能的に動かす能力は、多くの人にとって重要であるはずです。

ファンクショナルトレーニングは、パフォーマンス向上だけでなく、身体を動かしやすくしたいと考えている人に効果的な運動になります。

 

筋トレとの違い

では、筋トレで身体を鍛えるということでは不十分なのでしょうか？また具体的な違いはあるのでしょうか？

ファンクショナルトレーニングと筋トレの大きな違いは「鍛えたい部位と目的」になります。

筋トレは、鍛えたい部位が明確で肩や胸などの筋肉をピンポイントで使います。

また、「筋肉をつけたい」「痩せたい」といった目的をもっている人が多いことが印象的です。

一方、ファンクショナルトレーニングは、できるだけ実際の動作に近い形での運動になり、全身の連動を意識します。

「日常生活をより過ごしやすくしたい」「姿勢改善」「パフォーマンス向上」といった目的で始める人が多い印象です。

 

ファンクショナルトレーニングはプロ向き？

「ファンクショナルトレーニング」というとプロが専門的にやる運動という印象がある人も多いと思います。

実際はどうなのでしょうか？

 

確かに、スポーツの現場では、パフォーマンスの向上や怪我の予防のために積極的に活用されています。

しかし、先ほどご紹介したように「ファンクショナル」というのは機能的で実用的な運動の総称です。

また、ファンクショナルトレーニングの特徴は「実際の動作に近いこと」です。

よって、初心者から高齢者まで、幅広い層に効果的なトレーニングになります。

自分のレベルに応じて自由に難易度を変えることができるため、

• 運動初心者や高齢者の人：基礎的な筋力と体力の向上
• 運動習慣のある人：ダイエットや姿勢改善
• プロアスリート：競技のパフォーマンス向上

というように、誰でも目的に合わせて実践することができるトレーニングになります。

 

「プロ向けだから自分にはできない」というイメージだけで敬遠せず、自分の目的に合った内容から始めてみましょう。

 

ファンクショナルトレーニングの効果

では、改めてファンクショナルトレーニングの効果について確認してみましょう。

 

身体の使い方が上手になる

普段の生活やスポーツの動作は、1つの筋肉だけを使うのではなく、複数の筋肉が連動することで、全身を上手に動かすことができます。

例えば、スクワットを行う時に、どのような姿勢で、どこに重心を移動させて、どの筋肉に意識をするか。

このようなことを動作の中で習得します。

結果として、姿勢が整いやすくなり、バランスが取りやすくなって、自然に効率的な動作ができるようになります。

これによって

• 重いものを持ち上げる時でも腰の負担が少ない姿勢が取れる
• 階段の上り下りがスムーズになる
• スポーツ中の動きのキレがよくなる

など、日常生活から運動中まで、多くの効果を実感することができます。

 

怪我の予防

ファンクショナルトレーニングは、怪我をしにくい身体作りのためにも効果的です。

上半身と下半身を連動させながら鍛えるため、関節や筋肉への負担を軽減することができるためです。

また、バランス調整能力や柔軟性を高めることで、急な動きにも対応しやすくなり、転倒予防にもなります。

さらに、万が一怪我をしてしまってからのリハビリとしても有効です。

日常生活からスポーツの場面まで、幅広く怪我予防するために役立ちます。

 

体幹が安定する

ふと姿勢が崩れた時に「体幹が弱い」と感じたことがある人もいるかもしれません。

体幹とは、上半身と下半身を繋ぐ部分のことをいいます。

腹筋や背筋などが対象で、動作の基礎ともいえます。

ファンクショナルトレーニングでは、体幹を安定させながら上半身と下半身を動かします。

体幹が安定することで、姿勢が改善され動作がスムーズになるといったメリットがあります。

 

姿勢の改善

デスクワークやスマホの使いすぎによって、猫背や腰痛に悩む人が多いのではないでしょうか？

原因の1つに筋力バランスの崩れや、体幹の弱さがあります。

ファンクショナルトレーニングでは、体幹を安定させながら身体を動かすため、自然に正しい姿勢を取りやすくなっていきます。

身体をバランスよく鍛えることで、姿勢の改善が期待できるのです。

姿勢が改善されることで、若々しく見えるようになり、印象も改善していきます。

 

スポーツパフォーマンスの向上

ファンクショナルトレーニングは、走ったり、ジャンプをしたり、深くしゃがむ等の、スポーツでも実際に使う能力を高めることができることも特徴です。

ファンクショナルトレーニングで、瞬間的な方向転換や、身体を捻るような動作を取り入れることで、体幹の安定性やバランス調整能力、身体の連動性が鍛えられ、より動作がスムーズになっていきます。

よって、スポーツ中の動作の基礎作りとしても適しています。

急な動きに即座に対応することができるようになることは、スポーツパフォーマンスの向上には必須といえるでしょう。

 

ファンクショナルトレーニングを始める時に効果を上げるコツ

ファンクショナルトレーニングには5つの原則があります。

始める前に確認しておきましょう！

また、他にも効果を上げるコツを紹介していきます。

 

ファンクショナルトレーニングの5原則

まずは、ファンクショナルトレーニングの5つの原則について確認しましょう。

ここでファンクショナルトレーニングの基本を抑えておくことで、よりトレーニングの効果が高まります。

 

１．重力を利用する
２．動かす関節と固める関節を意識する
３．運動連鎖を意識する
４．３面運動を意識する
５．力の吸収と発揮のタイミングを合わせる

 

私たちの身体は、常に重力がかかっています。

その重力に抵抗するように、トレーニングをすることが大切です。

また、動作中は動く関節と動かない関節があり、それらが協同する（助け合う）ことでスムーズな動作になります。

ファンクショナルトレーニングは、関節の動きを意識することが大切です。

 

キネティックチェーンを意識する

身体を動かすには、1つの筋肉だけでなく、複数の筋肉が連動なければいけません。

また、筋肉だけでなく神経系の働きや心肺機能なども関係しています。

このような働きのことを「運動連鎖（キネティックチェーン）」といいます。

ファンクショナルトレーニングでは、全身を使って動かすようにすることが、効果を上げるために必要です。

 

3面運動になるようにする

身体は前後の動き、左右の動き、左右にねじる動きができます。

これら3方向の動きを「3面運動」といいます。

ファンクショナルトレーニングは、これらの動作を意識して、身体の動かせる可動範囲を満遍なく使うことが効果を上げるコツです。

例えば、腹筋のファンクショナルトレーニングを行う時は、身体を起こすだけではなく、横に倒したり、ねじったり様々な角度からアプローチすることがポイントになります。

 

力を発揮するタイミングを合わせる

身体は、筋肉が収縮した状態から一気に伸ばすことで強い力を発揮することができます。

例えば、走る時は地面に着地した時に膝が曲がり、（筋肉が収縮している状態）地面を蹴る時に、膝が伸びます（筋肉が伸ばされた状態）。

ファンクショナルトレーニングでは、適切なタイミングで力を発揮することが身体の動きを滑らかにするコツです。

これらの原則に則って、機能的に身体を動かすための、動作の基礎を身に付けることができるのがファンクショナルトレーニングです。

 

ファンクショナルトレーニングにおすすめの器具

ファンクショナルトレーニングは、器具を使用することで、バリエーションが増えます。

おすすめの器具をご紹介していきます。

 

 

ヨガマット

ヨガマットは、ファンクショナルトレーニングの基礎アイテムともいえます。

床で行うトレーニング種目からストレッチまで、動作中に滑らないようにすることで安全に行うことができます。

厚みは5～8mm程度が基準とされています。

膝や腰に不安がある人は、厚めのものを選ぶようにしましょう。

 

ケトルベル

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ケトルベルは、全身を連動させるファンクショナルトレーニングに最適な器具になります。

代表的なトレーニングは「スイング」「クリーン」などです。

これによって、体幹・下半身の総合的な筋力アップを目指すことができます。

瞬発力や身体の安定性を鍛えることができるため、スポーツの場面でも効果的です。

女性は4～8kg位、男性は8～12kg位を使用重量の目安にすると良いでしょう。

正しいフォームを意識することが大切です。

 

ラダー

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ラダーは、素早いステップや方向転換の動作を鍛えるために床に設置する器具です。

瞬発力、俊敏性、バランス調整能力などを高めることができます。

ファンクショナルトレーニングでは、身体の連動性を高める目的で使用されます。

こちらもスポーツ選手が積極的に取り入れていきたいトレーニングになります。

最初はゆっくりとしたテンポでフォームを確認しながら行いますが、慣れてきたらスピードアップを目指していきましょう。

 

マーカーコーン

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こちらもラダーと同様に素早いステップや方向転換の動作を鍛えるために床に設置する器具です。

トレーニングとしてだけでなく、コースを設定する時の目印にしたりすることができ、多種多様な活用ができます。

ファンクショナルトレーニングとしては、方向転換・加速・減速と、より実践的な動作を取り入れることができます。

省スペースでも活用することができ、コーンの配置を変えることで難易度を調整しやすいので、初心者から上級者まで幅広く使用することができます。

 

TRX

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TRXは、天井やラックなどに吊り下げて使うことができるサスペンショントレーナーです。

基本的に、自分の体重を負荷として使います。

サスペンションの両端を持って、バランスを取りながら動作を行います。

特に体幹、インナーマッスルの強化や身体の安定性を鍛えることができます。

負荷は、身体の角度で調整することができるので、初心者から上級者まで幅広く活用できる器具です。

省スペースで設置できるので、自宅でのトレーニングも可能です。

 

バランスボール

バランスボールは、座ることが基本ですが、ファンクショナルトレーニングでは支える・押す・転がすなど様々な使い方ができます。

これらの動作に、不安定さが加わることで、自然とインナーマッスルを鍛えることができます。

例えば、一般的な体幹トレーニングであるプランクですが、基本的に静止した状態で行います。

ここにバランスボールを活用すると、姿勢を維持することがより難しくなります。

このような工夫で、体幹の安定性や姿勢改善に効果が期待できます。

 

ファンクショナルトレーニングのメニュー例

では、ここからは実践編になります。

あなたの目的に合わせてメニューを選んでみてください。

 

健康増進コース

1. ニートゥエルボ
2. フロントランジ
3. バランスボールプランク
4. 壁ありプッシュアップ

 

ファンクショナルトレーニングを健康目的で行う時は「日常生活をスムーズにすること」を意識しましょう。

基本の動作を意識して全身をバランスよく鍛えることで、筋力アップと柔軟性を高めていきましょう。

 

お腹周りスッキリコース

1. マウンテンクライマー
2. ロシアンツイスト
3. プランク
4. ケトルベルスイング

 

お腹周りを引き締めるメニューでは「体幹を中心に鍛えながら有酸素運動で脂肪燃焼を燃焼させる」ことを意識しましょう。

全身をバランスよく鍛えつつ、有酸素運動を組み合わせたメニューになっています。

 

スポーツパフォーマンス向上コース

1. ラダーステップ
2. ジャンプスクワット
3. TRXプッシュアップ
4. 片足ボックスステップ

 

スポーツのパフォーマンス向上を目指す人は、実践的な動作を取り入れることが効果的です。

特に「瞬発力を鍛えること」を意識しましょう。

筋力アップも重要ですが、その動作をスムーズかつ俊敏にできるかどうかをイメージすることで、試合中にも生かすことができるでしょう。

 

リハビリコース

1. チェアスクワット
2. バランスボールシット
3. サイドレイズ
4. プランク

 

怪我や不調からの回復を目指す場合は、負担をかけすぎないことがポイントです。

筋力アップも重要ですが「関節の可動域を戻すこと」「正しい動作を習得すること」を意識しましょう。

再発防止や姿勢改善をするために、1つ1つのフォームを丁寧に行うようにしましょう。

 

器具なしコース

1. 片足ケンケン
2. もも上げ
3. スクワット
4. ヒップリフト

 

ファンクショナルトレーニングは、特別な器具がなくても実践することはできます。

「定期的に実践すること」を意識しましょう。

結果として、運動不足の解消や、日常生活の質を高めることに役立ちます。

慣れてきたら動作のスピードを上げたり、セット数を増やす等の工夫をすることで負荷を調整することもできます。

 

ファンクショナルトレーニングの注意点

ファンクショナルトレーニングは、全身をバランスよく鍛えることができることがイメージできたと思います。

ただし、やり方を誤ってしまと効果が半減してしまったり怪我に繋がってしまうこともあります。

初心者の人ほど、次のポイントを意識してみましょう。

 

正しいフォームで行う

ファンクショナルトレーニングに限らず、正しいフォームで行うことは大切です。

スピードや瞬発力を意識するあまり、フォームが崩れてしまうことも多々あります。

関節に負担がかからないように、最初は丁寧に行い1つ1つの動作を確認しながら行うことを心掛けましょう。

専門のトレーナーがいるのであれば、フォームチェックをしてもらうのもおすすめです。

 

簡単な種目から始めて無理をしない

まずは、簡単にできる種目から始めることがおすすめです。

特に、サーキット形式で行うトレーニングでは、強度を上げすぎてしまうとフォームが崩れやすくなってしまいます。

「正確な動きを維持することができる範囲」から、少しずつ強度を上げていくようにしましょう。

 

疲労や痛みを感じたら中断する

身体に疲労が残ったまま続けてしまうと、オーバーワークや怪我の原因になります。

違和感を感じることがあれば、無理をせずに休むことも重要です。

特に、膝や腰などの負担がかかりやすい部位については、自己判断だけでなく、医師や周囲の人の意見も参考にしてみてください。

 

身体のケアも忘れない

ファンクショナルトレーニングは、強度の低いものから高いものまで、種目も多種多様です。

しっかりと準備運動とストレッチを行うことで、関節の可動域が広がり怪我予防になります。

また、トレーニング後もストレッチ等で身体を整えることで疲労回復効果が高まり、翌日以降もスムーズに身体を動かしやすくなるでしょう。

 

ファンクショナルトレーニングで動ける身体を維持しよう

ファンクショナルトレーニングについて、いかがでしたか？

筋力を鍛えるだけではなく「動ける身体作り」が目的とするのがファンクショナルトレーニングです。

日常生活を過ごしやすくしたい人、スポーツのパフォーマンス向上を目指していきたい人まで、幅広い層にオススメできる運動になります。

また、器具を使わずに自宅でできるものから、ケトルベルやTRXを使った本格的なメニューまで、自分の目的や体力レベルに合わせて強度を自由に調整することができるという点も、多くの人が評価しているポイントです。

「正しいフォームで」「自分に合うメニュー」を継続することを意識してみてください。

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私たちと一緒に動ける身体作りを始めていきましょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。